今朝ラジオニュースを聞きながらキッチンに立っていると、厚労省の事務次官・村木厚子さんがワシントンで講演したことが報じられました。
村木さんといえば、4年前に大阪地検特捜部主任検事の証拠改ざんにより、無実の罪で数か月の拘留という、みんなの胸を割くような経験をされた方です。そんな中でも家族や同僚、友人の深い信頼と支援で無罪を勝ち取った方です。
ワシントンでの講演は、働く女性の支援策を紹介した折に、国内で自分が2人目の女性事務次官になれたのは「夫が子育てや家事を積極的に手伝うイクメンだったから。自分はとても恵まれていた」と語られたようです。低姿勢で物腰が柔らかくて敵を作らないというその姿が、家庭内の結束にも結び付いたのでしょう。
いわれのない罪を負わされることを「濡れ衣を着せられる」といいますが、村木さんはまさにそれでした。
1300年前、筑前国の国司の妻が病死。後妻は、国司が前妻の娘ばかりかわいがるのを嫉妬して嫌がらせを始めました。
ある日、漁師が国司の元に来て「あなたの娘が夜な夜な私のところに来て衣を盗んでいく」と告げ口をします。後妻が仕組んだことでした。
びっくりして娘の部屋をのぞくと、寝ている娘の上には濡れた衣が・・・。逆上した国司は娘の言い分も聞かずに斬り殺してしまいました。
後に、国司の夢に娘が現れ無実を訴えます。すべて真実を悟った国司は悔恨の涙を流し、ついには出家をするというものです。
こうして身に覚えのない罪を「濡れ衣」と表現するようになったということです。
一枚目の写真は、初めて今年たくさんの蕾をつけた秋明菊。酷暑の中でけなげにも元気に育ち、8月の残暑の中で咲き始めました。まだたくさんの蕾が残っています。もう少し先の凛とした空気の中で咲くほうが名前に合っている気がしますが・・・。