<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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ルパン三世の銭形警部の声を演じていた声優の納谷悟朗が亡くなった。
かなり、ショックだ。

納谷悟朗といえば銭形のとっつあん以外にチャールトン・へストンの吹き替えが印象に残っている。
テレビの洋画劇場で放送された「猿の惑星」では、納谷悟朗の声で、「ちくしょー!ここは地球だったんだ」と砂に埋もれた自由の女神を背景に砂地を拳で叩くチャールトン・ヘストンが私には印象的で、この場面を見る度に、頭に去来するのは納谷悟朗の声なのであった。

このように、有名な声優さんが亡くなると困るのがキャラクターの生命。
声はいなくなってもキャラクターは生き続けるわけだから、声優の都合で声が変わってしまうキャラクターはある意味いい迷惑だ。

最近は劇場映画が吹き替えで多く上映されているのに対して、テレビの海外番組が字幕スーパーなんてことが少なくない。
私の世代からすると、かなり変な状況だ。
劇場映画の吹き替え版はめったに見ないのだが、声優さんはどういう基準で選ばれているのだろうか。
広告を見ると、人気アイドルや漫才師が声を当てたりしているので、ろくなものではないような気がしないでもない。
怖くて見る気が起こらない、というのが正直な気持ちだ。

私の子供の頃は海外テレビドラマが吹き替えで、演じる役者に応じて個性豊かな声優さんが見事な演技を披露していたものだ。
従って、今も声を聞くだけでそのキャラクターがイメージとして浮かんでくる。

野沢那智の声を聞けばアラン・ドロン。
広川太一郎の声を聞けばロバート・レッドフォードかジーン・ワイルダー。
小池朝雄はピーター・フォークで、小林昭二はジョン・ウェインで、川合伸旺ならポール・ニューマン。
城達也ならロバート・ワグナー、山田康雄ならクリント・イーストウッド。


多くのキャラクターが亡くなっている一方、声優さんもベテランの多くが亡くなっている。
上にあげた声優さんはすべて鬼籍に入ってしまってもう新作で素敵な声を耳にすることはできないのだ。

生身の俳優やキャラクターが生きていて声が別人になるという。
この当たり前だが、姿が同じでもキャラクターが別物になってしまったような、なにかやりきれない気持ちになるのだ。




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