<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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松島に来る前に仙台駅の案内表示に、
「松島へは仙石線の松島海岸駅で下車ください。東北本線の松島駅は観光スポットから離れています」
と書かれているのが目に止まって、仙石線でやってきた。
仙台駅に表示されていたそのサインが事実であることは松島駅に近づくに連れて明らかになり、到着したらもっと明らかになったのであった。
松島駅は、何の変哲もない田舎の駅なのであった。
駅前にはコンビニすら無く、駅の中には売店もない。
無人駅でないだけが救いだが、電車は1時間に2本しか無く、あいにく私は駅前にたどり着いたと同時に仙台方面行きの電車が発車するのが見えたので、30分待つことになったのであった。

それにしてもハラが減っていた。
正直言って、駅前にそれなりの店があれば食べてもいいという感覚になっていたのだが、どうもそういう駅ではない。
立派なロータリーがあるのに何もないのだ。
「松島駅」
という名前につられて松島を見に来る観光客は少なくないのではないか。
事実、私も仙台駅で案内看板を見るまでは東北本線でやって来ようと思っていたくらいだ。
何も知らずにここを降りたりしていたら、
「松島って........ホンマに観光地か?」
と思っていたに違いない。

ベンチに座って待つこと17分。
GWということもあり臨時の快速電車が走っているようで、仙台方面にリゾートみのりという快速電車がトロトロと入ってきた。
「ラッキー!少しでも早く帰れるわ」
と感動し、さっそく乗り込むと、なんとなくイメージが違う。
特急列車みたいな作りなのだ。
すると車内アナウンスが流れた。
「この列車、乗車券の他に指定席券が必要です。」
なんおことはない、全席指定の特別列車で「快速」という名前の特急みたいなものなのであった。
駅でのアナウンスは何もなく、案内表示板にも「全席指定」の文字もない。
まってくもって、お騒がせの列車なのであった。



わざわざ仙台まで指定券を買って乗るまでもなく、私はさっさと下車してレギュラーな列車に乗ることにした。
もう15分ほど待てばやってくるのだから。
ホームに降りると、私と同じように「全席指定」のアナウンスを聞いて降りてきたお客さんが何人もいたのであって。

仙台駅に到着すると、すっかり夜になって、相変わらず駅前には多くの人で溢れていた。
昼間と違ったのは、そこに楽天ゴールデンイーグルスのユニフォームを着て歩いている人がそここにいることで、普段、縦縞ユニフォームを着て黄色と黒のメガホン持って、「おら~~~~~!」と言っている人たち(私も含む)ばかりいる私の街とは大きく異なるものだ、と感動しきりなのであった。
ここ仙台では、やはり楽天は人気球団なのだ。

しっかりご飯とビールを飲んで仙台空港についた時、そこいる客の殆どは大阪関西に向かう私のようなピーチエアの乗客がほとんどを占めている雰囲気に包まれていた。
仙台なのに、関西弁がそここで聞かれたのだ。
ピーチエアのチェックインカウンターは相変わらずTVゲームかATMみたいなパソコンなのであったが、手荷物預かりはANAのカウンターで行われていたのであった。
ANAがピーチエアの筆頭株主であることを思い出し、LCCだけどANAのマイレージをつけて欲しいなぁ、と我侭にも思ってしまったのであった。
出発ロビーに腰掛けて、またまたビールを飲んでいると、どこかで見たことのある人がずーっと向こうに腰掛けてこちらを向いている。
あれは......かの有名な京都○○大学のHセンセイではないか。
H先生は大阪に自分の事務所とコンセプトショップを持つ有名デザイナー。
私も何度か交流会でお話をさせていただいたことがあるが、特徴的なのは意見交換をしていて意見を述べてる途中で、

「これ以上、お金を貰わんと話せませんわ」

と守銭奴のごとき態度をとることだ。
本人は冗談で言っているようなのだが、冗談に聞こえないリアリティがあり、この人とデザイン契約したらボラれるんではないかと思わず決め込んでしまう商売人でもある。
先生は同じく京都○○大学の同僚の先生とビールを飲んでらっしゃるんのだが、ここで1つ疑問が生まれた。
関西だけでなく、全国的に著名なデザイナーであるH先生が、なんでまたこんなチープなエアラインを利用しているのだろうか、と。
もしかしたら、
「金もらわんと話せませんわ」
というのは冗談ではなく、ホントに貰わんと危機的状況になるのではないか。
人は見かけに寄らぬもの、
真実は誰もしらないのであった。

そうこうしているうちにボーディングタイム。
ピーチは窓際の座席番号の人と、そのお連れさんがまず搭乗させられる。
短時間で乗り降りさせるには一番の方法だ。
帰りの便もほぼ満席。
この便は関空に向かう最終便だったので、機内の食べ物はオール30%オフ。
私は迷うこと無くピーチアイスを買い求め、仙台の一日に想いをはせながら関空への空の旅を堪能したのであった。

おわり



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