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<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地





ピーチエアA320は順調に飛行して、仙台空港には午前8:30に到着した。
関空からの所要時間は1時間10分。
めちゃくちゃ早い。
定刻は8:45到着なので15分も早く到着したことになる。
今日の仕事はもしかすると早く終わるかもしれない内容で、帰りの便の出発時間が20:45分だから時間つぶしに苦労するかも知れない可能性がある。
しかし、早く、しかも順調に目的地の空港に到着できるのはなかなか幸先がいい。
自宅を出てわずか3時間後に私は仙台空港に到着していたのだった。

預けていた荷物を受け取りゲートの外に出ると空港ロビーは静けさに包まれていた。
コンビニエンスストアが営業しているのを除くと店舗はほとんど開いていない。
先ほどの「ぴちぴツアー」の御一行様が大勢集合して観光バスに乗るべくツアーコンダクターの説明を受けている。

私は小型スーツケースを転がしながら、電車の時間の書かれている時刻表に近寄った。
「次の電車は何時かなぁっと.........9時18分...........え~!9時~じゅ~~~はちふ~~ん!」
なんのことはない、次の電車は約40分後の9時18分の出発だったのだ。
迂闊だった。
電車の時間まで調べていなかった。
それでは空港バスは何時かな......と調べてみると、仙台空港には空港バスが無いことがわかった。
福島空港でも空港バスぐらいある。
この仙台に空港バスがないとは、これまた迂闊であった。

初めてタイのチェンマイを訪れた時に、どうやって市内に出ようか困惑したことがあった。
チェンマイもまたタイ第二の大都会にも関わらず空港バスが走っていないのだ。
バンコクからチェンマイに着いたのは午後7時頃。
予約していたホテルはチェンマイ市街地の円周部にあり、空港からは15分程度の距離だが、空港バスがないので、タクシーか別の手段で動かなければならない。
当時の私はまだ旅慣れておらず、かといってタイを一人で旅するのになんの躊躇もなかったのだが、まだカタコトのタイ語も話せず少々困ってしまった。

「ホテルに迎えのタクシーを頼んでおくべきだった」

予約した時に表示されていたオプションの迎え料金がUS10ドルもしていたので断ってしまっていたのだ。
たった10ドルでもタイの物価を考えるとべら棒に効果に思えてお願いしますとはならなかった。
海外旅行にでかけると中途半端にケチくなる私だったので、というか今でもそうなので、やや途方に暮れながら広いチェンマイ国際空港のロビーをウロウロしていたのであった。

仙台空港ですぐに移動できる足を確保できなかった私はあの時のことを思い出しながら、ゆーくりゆーくりと駅に向かって歩き出したのであった。

この日は仙山線の陸前落合という駅まで移動したら、そこで東京から自動車できている私の会社のスタッフが迎えに来てくれている手はずになっていた。
できれば仙台空港まで迎えに来てもらったら良かったとも思ったが、あまり知らない街については自動車で移動するよりも鉄道やバスで移動するほうが出張とはいえ楽しいに決まっている。
たとえ出張でも旅の好奇心は健在の私なのだ。
私はすでに駅のホームに到着していた仙台行きの空港シャトル電車の中で読書をしながら時間を潰すことにした。
この時、おなかの虫が「くうぃ~ん」と鳴ったが、とりあえず無視をすることにした。
大阪の自宅を出てから3時間あまり。
朝飯を食ったのは午前5時であった。
我がおなかの虫が「ハラ減った~」と、まるで中学生の我が娘のように鳴くのも無理はなかったが、残念ながら仙台駅には売店はなく、すでに改札に入ってしまった私はどうしようもなく、ただただ我慢するのみなのであった。

電車は各駅停車だったので走り始めてからもトロトロと走った。
トロトロと走るのは構わないのだが、行き違いも、快速列車の通過待ちも、なにもないのに駅で中途半端に長く停車するのにはイラチ大阪人の私としては多少イライラした。
あとで気づいたのだが、停車時間の長いのはこの列車だけではなく、この地方のJR線の一連の傾向であることがわかった。
東北の人はのんびりしていると聞いていたが、都会の仙台でも同じなのだろうか。
私の父は仙台と同じような規模の地方都市、岡山の出身なのだが、岡山県人はワイルドだ。
言葉付きは「そんなことをしちゃ~、おえりゃーせんがのー」というようなスローな話方をするのだが、油断はできない。
なんといって「中国地方のユダヤ人(漫画家いしいひさいち談)」というくらい、商売に敏いし、行動力も半端ではない。
目を話している隙に何をおっぱじめるのかわからないところがある。
なんといってもカラオケ、通信教育、桃太郎の発祥の地である。
もちろんJRも同様で、停車時間は関西と少しも変わりない。
油断をすると簡単に乗り過ごすことになる。
とはいえ、走っている本数は仙台同様なので、一度乗り過ごしたりすると三十分は待つ必要があったりするので大変である。

閑話休題。
この仙台行の電車はゆっくり停車することに加えて2両編成であったために、想像を超える混雑になってしまった。
GWとはいえ電車は午前9時台に走っているので、通勤客や行楽に向かう客が各駅で乗り込んできて大変な混雑になった。
幸い私は座っていたので事なきを得たが、時間がかかるぶん、お腹の虫は飢餓を訴え我慢ができなくなってきてしまっていた。

「これは........ランチまでもたない」

ということで、トロトロと仙台駅に到着と同時にコンコースにある蕎麦屋に入ってかき揚げ蕎麦を注文しがっついたのであった。
仙山線への乗り換えは15分の余裕がある。
でもそれを乗り過ごすとまたまた30分ほど待たなければならないのだ。

つづく

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