<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地





ピーチエアの使用機材はA320に統一されている。
さから乗り心地はどれに乗ってもほぼ同じ。
多少座席のデザインには、違いがある。このことは帰り道で知ることになる。
旅行者の評判通り、座席間隔が狭いことを除くと清潔だし、座り心地も悪くないし、客室乗務員の皆さんは親しみやすいし言うことなし。
あえて苦言を呈するとしたら機内誌が無いのと、液晶モニタもないのが玉にきず。
とりわけ液晶モニタが無いので当然のことながらフライトナビの画面も見ることができず、飛行中どこを飛んでいるのかさっぱりわからないという欠点がある。
雨や曇りの日の飛行にはいささか不便なのだ。

それとA320という機種。
180人乗りの中型機とはいえ、振動もすくなく客室内の収納スペースもそこそこある。
しかも着陸する時のショックが大型機並みにソフトなので乗り心地も悪くないのだが、メーカーがエアバスという私にとっては大きな欠点がある。
エアバス社の飛行機設計にはパイロットよりもコンピュータ優先の分けのわからないフィロソフィーがあることに加えて、飛行機にはライト兄弟のライトフライヤー以来定番の操縦桿がないという信じられない設計なので、なんとなく不安感があるのだ。
A320はサンダーバード1号のように、左右にあるレバーを操作して操縦するという。
どちらかというと私はサンダーバード2号のような操縦桿が欲しい。

しかしそれでもLCCであるピーチには、他の格安航空会社、中小航空会社と違いってパイロットの多くが日本人であるという安心感がある。
会社設立時とJALの民事再生時が重なったために日本人パイロットの大量採用に成功したというのだが、このように機会の運に恵まれた会社の飛行機に乗るのは、別の意味で安心感がある。
どこぞの会社のように食う旺ロビーで社長と外国人パイロットが喧嘩するということは無いであろう。

座席につき、前の座席を見ると中高年のおばさんの団体客が座ってキャッキャ言っている。
正直、高校生のキャッキャは許せるのだが、おばさん連中のキャッキャはいかがなものだと思う。
尤もこちらもおじさんなので偉そうなことは言えないが、そんなキャッキャするおばさん連中の手元を見ると旅行ツアーの本日のスケジュールのチラシが握られていた。
そこに書かれているタイトルを見て私は関西人の商魂に思わず笑みがこぼれてしまったのであった。

「ぴちぴちピーチで行く、宮城県・弾丸日帰りツアー」

おばさんたちはピーチエアを利用した宮城県の日帰り観光団体客の皆さんなのであった。

考えてみれば関西から宮城県まで日帰りで行くツアーは思いつかなかった。
少なくともこれまでは。
なぜなら仙台は関西から遠くであり、新幹線で移動すると5時間以上の時間を要し、またANAやJALを使うと日帰りなのに航空券が数万円という馬鹿げたツアーになってしまう。
ピーチエアの登場によって、まるで山陰や北陸にカニを食べに行くツアーのようなお手軽日帰り旅行を企画することができるようになったのだ。
私も日帰りの仙台出張なので、自らの今回の出張を「GWmぴちぴちビーチで仙台日帰り弾丸出張」と名付けることにしたのであった。

そうこう考えているうちに飛行機は出発。
ターミナル2のちかくの第二滑走路ではなく、第一滑走路からの離陸で飛び立ったのであった。

つづく

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )