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<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



1981年。
城山三郎原作で「男子の本懐」というドラマがNHKで放送された。
戦前に活躍した日銀総裁の井上準之助と内閣総理大臣の浜口雄幸の二人を主人公にした物語で井上準之助を近藤正臣、浜口雄幸を北大路欣也が演じていた。
私はこのドラマを再放送で見たのが、その面白いこと。
是非、今の政治家諸兄にご覧いただきたい内容なのだ。

とりわけ私にはこのドラマの前半の1シーンが印象に強くのこっている。
主人公の若き井上準之助と同じく若き浜口雄幸の二人が料亭で業者からの接待を受ける。
帰り際、その業者から桐箱に入った中国の高名な硯石と贈られる。
二人は顔を見合わせ拒絶するが、どうしてもといって業者は拒絶を聞き入れない。
で、仕方がないと判断した彼らは業者から硯石を受け取りニコニコ笑いながら、1,2の3でそれを縁石に叩きつけて割ってしまうのだ。

政治家は潔癖でなければならない。
それを象徴するシーンなのであった。

正直言ってこのドラマのハイライトである東京駅で浜口雄幸首相が右翼の暴漢にピストルで打たれ担架で運ばれる時に「男子の本懐である」と語るシーンよりも私には印象的なのであった。
実際に存在したシーンなのかどうかはわからないが賄賂を拒絶することがいかに勇気を必要として、いかに難しいことであるのか。
同時に政治家はそのようなものに手を染めてはいけないことをこのドラマは語っていたように記憶している。

で、IRで中国企業から賄賂をもらって開き直っている議員の方々。
1981年では両者ともドラマを見ていなかったのか小説も読んだことがなかったのか。
賄賂を拒絶する知恵ぐらいあっても良いものを。
ま、もしかすると賄賂と寄付の区別がつかない知恵なのかもしれませんが。



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