<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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3.11のとき。
核物理学を専門にする関西にある国立大学の研究者のお話をお聞きしたことがあった。
時期は5月。
福島原発の事故はまだまだ予断を許さないような状況で、先生のセミナーを聞きに集まった人は100人を越えていた。
場内に独特の緊張感があったことを今も生々しく覚えている。
セミナーの内容も当時巷に溢れていた放射線や核物質に関する様々な情報をわかり易く、同対応すればよいのかについての話が主体でなかなか実用的でいい話であった。

で、最も印象に残ったのはそのセミナーの後、控室で聞いた話だった。

「現場や関連部署では専門家でもない人たちがあれやこれやと大騒ぎするところにマスコミがセンセーショナルに見せたいのか大げさな内容で間違っていることも平気で垂れ流すのでメチャクチャになってしまった。政府はなぜ核物理学や放射線学を専門にする人を現場へ入れないのか。」

という内容だった。
確かにあのとき、テレビには核物理学や原子力技術を専門にした人たちが出ることはほとんどなかったし、その人達の声も報道されなかった。
その結果は今に継っているのだと思う。

それと同じことが今、ダイヤモンド・プリンセス艦内で起こっていることを人々は余り知らない。
私も知らなかった。
たまたまSNSを通じて回ってきた動画で神戸大の教授が証言する内容があのときと全く同じだったので驚いた。
核をウィルスに替えるだけで。
内容はほとんど同じ。

この国はいったいどうなってしまうのだろうか。



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