萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚153

2014-07-15 09:11:00 | 雑談寓話
熱中症注意な今日らしいので涼しい写真貼っときます、笑



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚153

年末も近い土曜の午後、メール2通来て、

From:御曹司クン
本文:電話出てくれないのってマジで寝てる?そんな疲れてるトコ架けてゴメン、
   俺のこと嫌いになって避けてたらどうしようって不安になってる、
   ホント自分でもうっとうしいけど今どうにもなんない、ごめん、

この↑メールは当時わりと珍しくなかった、

あー御曹司クンまた凹んでるんだ困ったな?

なんてカンジに慣れていて、
とりあえず放置しとくしかないからホッタラカして年末になり、
違う部署になった所為で職場で顔合すことも少なくて、納会でも話す時間は無く慌しいまま年末年始の休暇になった。

で、もう1通のメールはホッタラカさなかった、

From:葭田
本文:ひさしぶり、元気?
   正月休みこっち来るんだろ、そしたら久しぶりにこっちで呑もうよ。
   今年は帰省出来ないからこっちいるんだ、一人正月寂しいから付合ってくれ。

「アタリ、ほんと受験生だと帰省してる余裕なくてさ、だから一人正月なんだよ、おまえ正月はこっち来るんだろ?」

なんてメール&電話の相手は相変わらず爽やか&落着いていて、
この貌に久しぶり自分も会いたかったから、

「実家で年越した後の予定だけど両親にちょっと訊いてみるよ、カワイソーな友達を助けてもイイかってさ、笑」

って返事した通りに両親に相談したら、

「葭田くんイイ子だし可哀想だ、たまには夫婦二人の正月も良いし行ってあげなさい、笑」
「おせち少し持っていきなさいよ、折詰にしてあげるから、笑」

なんて言ってくれて、
で、紙袋にアレコレ詰めてもらった+親戚への土産持って大晦日、新幹線に乗った。
混んでたけどまあトリアエズ目的地へ着いて、まず親戚の家に顔出したらエラク歓迎してくれた、笑

「大晦日もお正月も会えるなんて嬉しいわーお昼おいしいとこ出来たのよ、行きましょう、」

と提案してくれる伯母たちとイタリアンへ行って、
今日明日の予定を訊かれながら食事が始まった。

「お友達は独り暮らしなんでしょ?お餅持って行きなさいよ、今朝お餅屋さんから届いたから、」
「ありがと、きっと喜ぶよ、笑」
「大学の友だちって言ってたかな?こっちで先生してるけど地元は向うで、」
「その友達だよ、今年は3年生の担任だから帰省してる暇無いんだってさ、笑」
「ああ、受験生抱えると大変だなあ、僕もズイブン忙しい想いしたもんだよ、笑」
「このお正月もお兄ちゃんたちは帰って来ないの?」
「お嫁さんの実家に行くみたいだよ、笑」
「長男なのに帰って来ないのも困りモンだなあ、」
「ウチの両親は帰って来ない方が気楽らしいよ?どうしても気を遣っちゃうから、笑」
「それは私も解かるわー明日のこと思うと今から緊張しそうだもの、笑、」
「明日、自分も顔出すようにするね?笑」

なんてカンジの会話しながら食事楽しんで、
〆のジェラート食べたら歯がズキっときてつい顔しかめた、

「あら?どうしたの?なんか痛いって貌だけど、」
「うん、なんか歯が痛いなって、」

答えながら珍しい事態にちょっと困った、
虫歯は小さい頃に何度かなっているけれど成人してからは殆どなくて、
久しぶりの歯痛はヤケに気になるけど大晦日で病院も休みだろな&ってか歯医者行きたくないし思ってたら伯母が言った。

「いつも行く歯医者さんがあるのよ、お願いしたら診てくれるかも?ちょっと電話してみるわね、」

なんだってコンナとこまで来て歯医者なんだよ?って思ってそのまま笑った、

「いやイイよ、ちょっと痛い気がしただけだし平気、笑」
「ナニ言っているの、こっちきて歯痛になったなんてね、あなたのお父さんとお母さんに申し訳ないでしょ?」

って言われて伯母はさっさと電話してくれた。
ホント歯医者は苦手嫌い、小さい頃から歯医者と注射は大嫌い、
それを伯母も伯父も知ってるから食事したまま車で歯科医院まで送られて、

「じゃあ頑張ってね、そこらで買い物してるから終わったら連絡してね、迎えに来るから、笑顔」

なんて笑顔で待合室に座らされて、
携帯の電源切ろう思ったらメール入ってるから開いたら御曹司クンからだった、

From:御曹司クン
本文:おはよー昨日は納会ほとんど喋れなくて寂しかった(顔文字泣顔)
   今なにしてんの?

なんてことないメール、特に用事なんか何も無い。
だけど今の状況は自分で可笑しかったから誰かに言いたくて返信した、

Re :歯医者に連行されたとこ、マジ最悪、笑




とりあえずココで一旦切ります、続きあるけど反応次第でラストで、笑
Aesculapius「Saturnus22」読み直したら校了です、光一と雅樹@自宅シーン。
Favonius「少年時譚25」加筆まだします、その次は第77話の続きか短編連載の予定です。
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深夜の猫

2014-07-14 22:30:00 | 雑談


深夜の猫

夏でも綿毛みたいな寝相です、
白いから涼しげor綿菓子っぽい感じになっていますが、ほんとモフモフです。

薄目なアタリ撫でろという要求が愛いやつ、
だけど撫で方が違うと甘噛みばっくりしてきます、いわゆるツンデレ野郎な悪戯坊主です、笑

にゃんにゃん 第43回ブログトーナメント


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山岳点景:虹の端

2014-07-14 21:00:00 | 写真:山岳点景
人工×気象=七彩芸術



山岳点景:虹の端

虹の端っこを観ました、それも二重の虹。

場所は秩父@埼玉県、ダムのトコなんですけど。
って書くとこの虹がナンデ起きたのか解るでしょうか?笑



なんとなく寄ったダムが放水していたんですよね、
その飛沫で二重の虹に架かっていました、っていう写真が上↑です。
水門近くに架けられた橋の上から撮ってあります、で、下はダムを下から写したカットです。

集まれ!旅のエピソード17ブログトーナメント



Favonius「少年時譚25」草稿UPしました、光一と希@放課後の続きです。
Aesculapius「Saturnus22」加筆もう少しします、

気分転換に取り急ぎ、笑




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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚152

2014-07-14 09:12:00 | 雑談寓話
桔梗の万葉名は朝顔だという説もあります、



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚152

12月クリスマスも過ぎて年末近い完徹残業明け@土曜、
寝て起きてから御曹司クンから電話が来て少し話して、

「早く声聴きたかったんだよ、拗」
「なあ、今夜とか電話ダメ?」

なんて言われたけどいつもの調子で笑って切って、
すぐまた架かって来たけど出ないで着信音OFFにして出掛けて、
パン屋やら本屋やらハシゴしながら御曹司クンのことドウするかつい考えてた、

“でも俺もうおまえしか好きになれないかもしれない”

あんなことメールで言われて何度も電話くれたけど、
これからも電話やメールしてたら御曹司クンの気持ちは変化がないかもしれない?

このままだとやっぱり困るよな?

そんなこと考えながらご近所散策コースは終わって、
家に帰って携帯見てみたら着信2件とメール2件入っていた。

やっぱり御曹司クン電話してきてたんだな?笑

なんて思いながら困って可笑しかった、
もう寝るって切ったのに何度も架けてくる、その不安感が可哀想で困った。
ほんと昨夜の徹夜仕事はマズかったらしい?そんなこと考えながらメール開いた、

From:御曹司クン
本文:電話出てくれないのってマジで寝てる?そんな疲れてるトコ架けてゴメン、
   俺のこと嫌いになって避けてたらどうしようって不安になってる、
   ホント自分でもうっとうしいけど今どうにもなんない、ごめん、

あーやっぱこういうモード入っちゃんたんだ?
って困りながら可笑しくてトリアエズ暫く放置しとこうって思って、
もう1通を開いてみたら意外な相手からだった、

From:葭田
本文:ひさしぶり、元気?
   正月休みこっち来るんだろ、そしたら久しぶりにこっちで呑もうよ。
   今年は帰省出来ないからこっちいるんだ、一人正月寂しいから付合ってくれ。

懐かしい名前と内容に笑って、
この提案は楽しそうだからすぐ返信してみた、

Re :また彼女フラれた?仕事が恋人なのねとかさ、笑

送信して、で、すぐ架かってきた電話は爽やか×落着いた声だった。
      
「オヒトリサマだから寂しいんだろが、傷抉るなバカ。でもメールありがとな、」

相変わらず爽やかなトーンは懐かしい、
こいつと電話するの久しぶりだ思いながら笑った、

「相変わらず忙しそうだね、今年は3年の担任なんだ?」
「アタリ、ほんと受験生だと帰省してる余裕なくてさ、だから一人正月なんだよ、おまえ正月はこっち来るんだろ?」

忙しい&寂しい台詞、だけど声爽やかでいる。
この貌に久しぶり自分も会いたかったから笑って返事した、

「正月だから挨拶に行くけどさ、実家で年越した後の予定だよ?笑」
「だよなーそこをナントカっては頼み難いんだけどさ、」

なんて言ってくるトーン穏やかに爽やかで、
相変わらず声から良いヤツぶりに笑って言ってやった、

「両親にちょっと訊いてみるよ、カワイソーな友達を助けてもイイかってさ、笑」



とりあえずココで一旦切ります、続きあるけど反応次第でラストで、笑
不定期連載「天津風22」校了です、雅人@Aesculapius「IF」雅樹が亡くなっている設定です。
Aesculapius「Saturnus21」校了しました、光一と雅樹@自宅ベッドの会話シーンになります。
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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚151

2014-07-13 07:57:00 | 雑談寓話
昨日、ダムの放水に行き当たりました、



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚151

12月クリスマスも過ぎて年末近い完徹残業明け@土曜の朝
帰宅して風呂入って落着いたら午前9時近くだった、

あーせっかくの土曜だけど寝る@自宅だな?笑

なんて思いながら文庫本とベッド転がって、
何げなく見た携帯が着信ランプ点いてるから開いたらメールが入ってた。

From:御曹司クン
本文:昨夜ずっと目の前で見てたらやっぱダメだった、俺やっぱり諦められない大好きだ、
   いま無茶苦茶眠いのに目が冴えて寝られない、新幹線いま静かで寝られる環境なのに。
   なんか仕事してるおまえの顔とかずっとちらついて寝らんない、今すごい逢いたくてダメだ、
   <以下略>
   
で、寝て起きたら案の定だけどメール+着信履歴が入ってた。
着歴は2度、留守電は無いけれどメール2通に台詞は解かる気がした。

Re2:いま帰りの新幹線、仕事ちゃんとやったから電話していい?降りたら電話するかも。

Re3:電話したけど出なかった(顔文字泣顔)寝てる?
   それとも長文メールで退かれてる?

長いメール送っちゃった、その返事を聴きたいんだろな?
ソンナ感じのメールと着信2件を眺めながら正直なトコ眠かった、
だけど時間は正午を過ぎていて、とりあえず起きてコーヒー淹れて飲んでたら電話が来たから出た、

「おー…やっと出てくれた、生きてる?」

イキナリそれなんだ?
こんなイキナリ可笑しくて笑った、

「生きてるけど?笑」
「あーもう心配したんだからな、いろいろとさー、拗」

拗ねてるみたいな声が言ってくる、
その後ろで靴音が聴こえるから訊いてみた、

「まだ歩いてんだ?家帰ってからかけりゃいいのに、笑」
「早く声聴きたかったんだよ、拗」

即答してくれるトーンやっぱり拗ねて、でもどっか甘えている。
それがどういう発想か解かる気がして、だから正直に笑った、

「まだ眠いから寝るね、気をつけて帰りな?笑」

眠いしもう切るよ?
そう言外に伝えて切ろうとしたけど御曹司クンは言った、

「なあ、今夜とか電話ダメ?」
「ダメ、おまえこそ風呂入ってシッカリ寝な?じゃ、笑」

こいつ殆ど寝ていないだろう?
そういうの解かるからとりあえず笑って切って、だけどすぐ鳴った着信番号は御曹司クンだった。

ズイブン構って貰いたがりだな?笑

なんて思いながら出るのどうしよっかなって考えた、
フツーに友達同士なら出てる、でも今朝の長文メール考えると安易に出ちゃいけないと思った。

“でも俺もうおまえしか好きになれないかもしれない”

あんなことメールで言われて何度も電話くれて、
だから電話を受けたら御曹司クンの気持ちも受容れたことになりそうで、だから出なかった。

きっと今日は「圏外」になった方が良いな?

そんなこと考えて着替えて携帯電話の着信音OFFにして、とりあえず食糧&本屋を探しに外へ出た。



とりあえずココで一旦切ります、続きあるけど反応次第でラストで、笑
第77話「結氷9」校了しています、Aesculapius「Saturnus21」読み直したら校了です、短篇は加筆まだします。
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眠いけど取り急ぎ、笑



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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚150

2014-07-12 01:35:07 | 雑談寓話
久しぶりに徹夜で一冊読みました、
で、眠い一日だったけど少し書きます、バナー押してくれた方へ感謝にて、笑



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚150

年末近くの完徹残業明け@土曜の朝
帰宅して風呂入って落着いたら午前9時近くだった、

あーせっかくの土曜だけど寝る@自宅だな?笑

なんて思いながら文庫本とベッド転がって、
何げなく見た携帯が着信ランプ点いてるから開いたらメールが入ってた。

From:御曹司クン
本文:昨夜ずっと目の前で見てたらやっぱダメだった、俺やっぱり諦められない大好きだ、
   いま無茶苦茶眠いのに目が冴えて寝られない、新幹線いま静かで寝られる環境なのに。
   なんか仕事してるおまえの顔とかずっとちらついて寝らんない、今すごい逢いたくてダメだ、
   <中略>
   なあ、好きになってもらえないの解かってるけど好きでいて良いよな?
   好きでいて良いって言ってくれよ、絶対なにもしないから傍にいてよ、
   友達でいてくれたら幸せだから離れないで、俺のこと置いてかないで、
   <中略>
   あいつと別れた時に恋愛とか二度とないって思ってた、でも今はおまえばっかり考えてる。
   星の数ほど出逢いはあって女とも男とも恋愛はあるって俺は今でも思ってるよ、
   でも俺もうおまえしか好きになれないかもしれない、
   <中略>
   俺に恋してって言っても無理なの解かってる、だって俺おまえがたった一人を好きなトコ好きだから。
   その人に俺が勝てないとか解かってるから俺だけ見てとか言わない、
   でも生きてるなかでは一番になりたい、友達とか恋人とか関係なくおまえの一番になりたい、
   <中略>
   またこんな長いメールしてごめん、でも想ったこと全部書いたから。
   おまえに逢いたいよ、大好きだよ。

なんてカンジの長文メールが届いていた、
うろ覚えだから全文なんか覚えていないけどコンナ感じの事ずっと書いてあって、
たぶん新幹線でずっと書いてたんだろうメール全文とりあえず読んだんだけど正直な感想が、

仕事完徹明けにすげーなこいつ?笑

ってか眠い今無理ほんと寝かせて?

さすがに午前9時半始業→午前7時まで仕事はキツイ、笑
連続勤務21時間半とかありえねーだろ思いながら意識わりと落ちそうで、
それでも大長編メールを無視とかサスガに出来なくて動かない頭で返信した、

Re:とりあえず読んだ、でも今眠いオヤスミ仕事がんばれな、

で、寝て起きたら案の定だけどメール+着信履歴が入ってた。


とりあえずココで一旦切ります、続きあるけど反応次第でラストで、笑
第77話「結氷9」もう少し加筆します、次は短編かAesculapiusの予定です。
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眠いけど取り急ぎ、笑



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金曜日の猫2

2014-07-11 23:55:00 | 雑談


寝ることは趣味で仕事なんだろうか、ってくらい猫は寝姿がサマになる。



たまに羨ましくなるナンテことはお構いなしなトコがイイ、笑

ご自慢のペット集合8ブログトーナメント
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第77話 結氷 act.9-side story「陽はまた昇る」

2014-07-11 22:30:09 | 陽はまた昇るside story
cornice 生の懸崖



第77話 結氷 act.9-side story「陽はまた昇る」

そこは懸崖の涯だった。

標高1,363.3m 川苔山の下山ルートはいくつかある。
その一つ、真名井北陵から真名井沢を下降して大丹波へ下りる道は急峻で事故が多い。
そして今もまた小雪けぶらす視界の先、切れ落ちた白銀とうずくまる人影に英二は振り向いた。

「後藤さん、一人しか見えません、」

道迷い“2名”

そう救助要請の報に聴いている、けれど雪稜に今は一人だけ。
こんな現状に考えられることは一つしかない、この現状に熟練の山ヤは訊き返した。

「一人か?要請は二人のはずだが、」
「ここから見えるのは一人です、でも近くにいるでしょう、」

答えてまた歩きだす背後、溜息ひとつ黙りこむ。
そんな気持ちはレスキューなら誰も同じだろう、その予測を言葉にした。

「ここは何度も転落事故が起きているポイントです、たぶん雪庇を踏抜いたのだと思います、」

いま山中の積雪は50cmを超えている。
この雪が草叢の上に積もれば道と見分けにくい、そこを踏めば転落する。
こんな危険は積雪期の山では当り前で、そして道迷いの焦りと雪中の疲労はミスを誘う。

「くそっ、無理に行動したんだな?急ぐぞ宮田、」

悔しげな声と速まる歩調にレスキューのプライドが温かい。
優しいからこそ悔しい、そんな想い自分の何倍も噛みしめる横顔に頷いた。

「急ぎましょう、低体温症を起こした判断ミスかもしれません、」

低体温症の涯、凍死遺体には不可解な行動の痕跡がある。
それと同じ結果が今も起きた、その予測ごと踏み分ける雪に息が白い。
もう15時過ぎた、それは山中の日没と気温低下の刻限でより高まる危険に後藤もため息吐いた。

「低体温症か、確かにこの天候じゃ起きそうだなあ?」

白い靄くゆらせて仰いだ先、空は薄墨あわく白が厚い。
まだ雪は降る、それが小雪から吹雪きだす観天望気に振り向いた。

「後藤さん、転落者の搬送はヘリが使えないかもしれません、消防は他の2件に向かってますよね?」

ここの一報は道迷い、そして同時の他2件は受傷有との報せだった。
それなら消防の救急隊員は他へ回ってしまう、そんな状況に副隊長は軽く息呑んだ。

「しまった、こりゃあ応援の期待は出来んぞ?」
「はい、」

頷いて駈けてゆく足元、埋まる雪が深くなった。
こうした雪中を搬送したことはある、けれど怪我人の容態次第では二人だけで無事に済むだろうか?

―もし頸椎や背骨がやられていたら危険だ、でもビバークで待機なんか出来るのか?

おそらく夕刻に雪は強くなる、それでも自分と後藤は一晩くらい耐えるだろう。
けれど要救助者2人にそれだけの体力と技術があるだろうか?そんな不安すら微笑んで崖上に着いた。

「警察の救助隊です、救助を要請された方ですか?」

穏やかに問いかけた先、うずくまったウェア姿が顔上げる。
報せ通りに三十代らしき男の顔色は白い、それでも確りとした眼差しが頷いてくれた。

「はい、二人組の道迷いと連絡した者です…でも同行者がここから落ちて、」

話してくれる声すこし震えている、それは緊張の為だろうか?
それとも低体温症の初期、寒冷反応による筋肉の震えと末梢血管の収縮だろうか。
その判断を見つめながらポケットからオレンジ色のパッケージ取りだし一粒そっと手渡した。

「解かりました、まず口に入れて下さい。甘いものは落着きますから、」

動揺は次の事故を呼んでしまう。
それだけは避けたい願いに男は微笑んだ。

「ありがとうございます、まず私も落着かないと困りますね?」
「はい、お願いします、」

笑いかけた向かい男の顔色いくらか明るんでいる。
こんな雪の日に山へ入るなら幾らか心得はあるのだろう、この様子に微笑んで振りむくと後藤が呼んだ。

「宮田、ちょっといいかい?」
「はい、」

答えて雪踏みこみ青い冬隊服の隣に立つ。
その眼差しが指す方を見ると深い声が告げた。

「前と同じポイントだよ、でも前より一段上の岩場だ…さっき少し動いたように見えたが、」

見下ろす先、切立った岩溝のテラスに人が倒れている。
積雪に白い岩棚は狭くて、それでも受けとめられた幸運に微笑んだ。

「雪がクッションになったのかもしれません、俺が降ります、後藤さんは彼から状況を聴いて頂けますか?」
「ああ、宮田が降りた方が良いだろよ、おまえさんがいてラッキーだったなあ、」

少し軽やかなトーンで静かに笑ってくれる。
その信頼に微笑んでザイルをセッティングすると雪の急斜を素早く降りた。

―アイガーや滝沢よりずっと楽だ、でも帰りは怪我人を背負って、

この雪に受傷者を背負い登ることは甘くない。
そして受傷状態によってはバスケット担架を遣うことになる、けれど二人でこの急斜面は難しい。
でも「出来ない」なんて降参する気は全く無い、その誇りに微笑んで50メートルザイルをまた繋ぐ。
たぶん3ピッチで降りられるだろう?そう予想した通りに着いた岩棚、ふわり積雪が登山靴を受けとめた。

この積雪なら命は助かっているかもしれない?

そんな期待と傍らに跪いた白銀、埋もれた体かすかに動く。
まだ痙攣している、この生体反応にザックおろしながら呼びかけた。

「いま救助隊が着きました、聞えますか、聞えたら目を開けて下さい、」

呼びかけの声もあまり大きくは出来ない。
山は昨日からの新雪で表層雪崩の危険がある、その可能性は今このテラスに怖い。

今ここで雪崩が直撃したら?

そんな可能性に英二はハーケン1本取り出し素早くセルフビレイした。
同じにもう1本を撃ちこみザイルを繋ぐ、そして倒れた青年の傍に置いた。

―こんなの気休めだ、でも何も無いよりは、

まだ受傷状態の確認前では下手にハーネスも着けられない。
けれど万が一には対応できる術を備えたくて、その為にも手早く診始めた。

「すみません、今から応急処置をしますよ?右手の指をさわります、」

呼びかけて、けれど反応は薄い。
脳震盪を起こしているのだろうか?もっと大きなダメージの可能性も高い。
そんな思案と眺める頭部はニット帽しか被っていない、せめてヘルメットを被っていたらと思ってしまう。

『芦峅寺ガイドは確かに古くから山岳救助のプロ集団だよ、山で仕事して生きてる仲間で助け合う伝統なんだ、スポーツや遊びと違う、』

動かす手許へと先刻に話していた後藤の声がよぎってゆく。
あの言葉から考えれば今この手を動かす相手は「スポーツや遊び」に入るのだろう。
それでも今こうして向きあえば願いたいことは唯ひとつだけ、その祈りが鼓動から指先へ息づきだす。

「大丈夫ですよ、頑張ってくださいっ、もうじき病院に行きますからね?家に帰りましょう、ご家族もお友達も待ってますよ?」

呼びかけ続けながら視線に受傷状態を確かめ手は応急処置へ動く。
こうして現場に立つことは機動隊舎の訓練所とは違う、その実感が雪に風に指先の体温に沁みる。

―時間が無い、でも焦るな、皆で帰るんだ、

もう15時半、そして雪崩の危険が高い場所、それでも「全員で無事帰還」を自分も護りたい。




(to be continued)

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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚149

2014-07-11 01:14:00 | 雑談寓話
いま風雨が静かです、



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚149

クリスマスも過ぎて年末近くなり、プロジェクト2本めも順調予定通り進み、
けれど元所属で突発事態=翌9時@大阪まで膨大な資料を提出することになった金曜夜、

「今ちょっと掛け合ってきた、今夜はおまえコッチで残業してくれ。残業代もちゃんと出すから頼む、」

なんて元所属の部長に言われて元の机で完徹コースになった、
で、元の机正面は御曹司クン=パソコン越しに顔が見えるから、

「…わー久しぶり?」

って台詞で御曹司クンは涙目で笑い、
でも正直に言ってソレどころじゃないから言ってやった、

「久しぶりはイイけど仕事しろ、こんな無理スケジュールでも出来ないとか最悪だよ?笑」
「っ、もちろん仕事するもんねー拗」

とか遣り取りしてお互い没頭した。
ドンナ仕事なんだとか守秘義務で言えないけれど、

膨大な資料を読む→データファイルにする

って感じだから資料の専門知識+パソコンがソレナリ使えないと出来なくて、
それが後任の山口さん(仮名)には不慣れ+タイムリミットがカナリ無茶苦茶だから彼女には無理だった。
そんなワケで残業したんだけど部長+課長+4人で作業して、零時をすぎても当然終わらず午前1時ごろ、

「ダメだ腰が痛い座り続けるの無理スマン、泣」

ってセリフで部長は床に段ボール敷いて寝ころがり、

「あー御歳いだから仕方ないですね、笑」
「うるせーまだ五十になったばっかだぞ俺は、怒笑」

なんて会話して部長は段ボール@床で寝てしまった、笑

まだ退院してソンナ経っていないのに残業つきあって大変だな?
なのに仕事引き受けた張本人=代表トップはとっくに帰っていた、

「あーほんとマジあいつうぜええ安請け合いしやがって付け回しやがるくっそ、怒」

とか言いながらも課長は仕事さくさく進めていた、
ああなると怒り=動力だったのかもしれない、笑

で、午前2時過ぎたころ課長は言った、

「はー…もーいま無理、ちょっと夜食買出しいこーや、凹笑」

本気でおつかれもう無理だ、ってカンジに目の下クマ出来ていて、
まだ三十代前半の若さでこのオツカレほんと可哀相だなー思いながら部長抜きの5人で買出しに行き、
みんなで乗りこんだエレベーターは全員が寡黙だった、で、コンビニ着いたら課長が言ってくれた、

「おまえら肉まん食うか?オゴッテやる、」

冬12月、そういうの美味しい頃だったんだよね、笑
だからありがたく買ってもらい外に出て齧りだしたら湯気も息も真白だった、

あーもうじき大晦日だな?

なんて思いながら肉まん齧りながら歩いて、
で、やっぱりだけど御曹司クンが隣に来た、

「なー仕事だけど完徹一緒だな?笑顔×眠」

こんなときでも嬉しいんだ?でも眠そうだね?
って言いたくなる貌で笑ってるから軽くSってやった、

「おまえ目が腫れぼったいよ、その貌で大阪はヤバいんじゃない?笑」

午前9時@大阪の届け人=御曹司クンだったんだよね、
この残業後にそのまま行くのはキツイだろう?そんなことも思って言ったら半拗ねされた、笑

「っ、別にイイですーこんな頑張りすぎましたって貌見せてやる方がアレだし、拗50%」
「ふうん?イイんならなんでソンナ拗ねてんの?笑」
「そんなの決まってんだろバカっ、拗」

なんて会話しながら職場に戻り、
また仕事続けて夜が明けた窓の光はやたら目に沁みてキツかった、笑

「…もぐらの気分が解かりますよねー笑」
「モグラでもなんでも俺は寝たい、もう帰るのキツイからタクって帰る、」
「その前に終わらせろ、最終チェックしろっ、」

ってカンジに仕事なんとか上がったのは午前7時だった、笑

「あーもーいったい何時間労働だよ?」
「深夜残業割増に期待だね、」

とか言いながらビルを出て、で、御曹司クンともう1人と一緒に駅まで行って、
改札のトコで別れたんだけど御曹司クンやたら目が赤かった、

「大阪、寝過ごさないようね、笑、」
「ちゃんと携帯で目覚ましかけますーってか新大阪止まりだし、拗×笑」
「それなら安心ですよねー御曹司サン行ってらっしゃーい、」

なんて別れてそれぞれのホームに行って、
土曜AM7時すぎの電車は空いていて座った瞬間に眠気が来た、
だから携帯に目覚ましかけて手に持ったまま腕組んで寝て、最寄駅で起きて、

で、帰宅して風呂入って出たら長文メールby御曹司クンが入ってた。


とりあえずココで一旦切ります、続きあるけど反応次第でラストで、笑
第77話「結氷8」校了@雪の奥多摩2、次は短編かAesculapiusの予定です。
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で、昨日バナー減ったしコメント暫く無いからどうしよっかなと。

眠くなったけど取り急ぎ、笑



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Short Scene Talk ふたり暮らしact.55 ―Aesculapius act.68

2014-07-10 22:00:00 | short scene talk
二人生活4@訪問者act.2
第4章act.19-20の幕間@自宅



Short Scene Talk ふたり暮らしact.55 ―Aesculapius act.68

「紳一郎、日本酒とか呑みたい?(おふくろは好きだったからね紳一郎も確しか好きだよね)」
「あ、日本酒うれしいな、ご馳走してくれる?(姉さんも好きなんだよね明広さんとよく一緒に呑んだな僕も)」
「うん、雅樹さんは帰ったらでいいの?(運転するもんね)」
「ありがとう光一、(笑顔)(可愛いな光一かいがいしく主夫して萌)」
「すみません雅樹さん、僕だけ頂いて。このあとお出かけなんですか?(僕だけ悪かったな)」
「うん、成田まで車で送ってくから(笑顔)(光一のおねだりなんだよね夜ドライブ喜んでくれるだろうな萌)」
「え、悪いですよそんな(申し訳ないな夜遅くなっちゃうし)」
「ナンも悪くないね、ちっと俺が夜ドライブしたいだけだよ?(御機嫌笑顔)(夜ドライブ大人みたいで良いね楽しみだねっ)」
「でも夜遅くなっちゃうよ?平日なのに大丈夫?まだ中学生なのに、(学校で居眠りとかしたらウチの両親大騒ぎしそうだな僕こわくて出来なかった姉さんはしちゃってたらしいけどそういう自由なトコかっこよくて萌)」
「んっ?(子ども扱いしてっ)もう中学生だもんねっ子供みたいな言い方しないでよねっ(大人だもんねっ)」
「あ、ごめんね光一くん、でも中学生は子供だよ?(って姉さんも言ってたしねでも姉さんが中学生の時って僕さすがに憶えていないな可愛かったんだろな萌)」
「じゃあ紳一郎、おふくろが中学生のとき子供だって思ったかね?ふふんっ(この反論は出来ない筈だねっ)」
「ごめんね光一くん、僕、姉さんが中学3年生の時に生まれたから憶えてないんだ(笑顔)(写真なら見てるけどねすごい可愛いんだよね姉さん萌)」
「知らないんなら言わないでよねっ、オトナな中学生だっているもんね、ふふんっ(主夫きっちりしてるもんねっ)」
「そうなんだ?そういう子いたらカッコいいね、(笑顔)(姉さんそういう子だったんだろな)」
「子っ?(ってその時点でもうちっと子ども扱いじゃないのかねっていうか)俺はオトナな中学生だもんねっ、そうだよね雅樹さん?(そうって言ってね)」
「ぁ(照)うん、そうだね、光一は大人な中学生だよ?(笑顔×照)(おとなってそういう意味かな今そんなの照れちゃうよ僕ってこういうプレイなの光一?照萌)」
「あ(そっか光一くん確かに)そうだね、光一くんは保育園の時から大人だったね?こんなに美味しいご飯作れるなんて大人じゃないと出来ないし、(笑顔)(そうだった怒られたな初めて会った時あのとき可愛かったな姉さんミニチュア版で萌)」
「そうだよ、俺はガキでも大人だったもんね、子供にはコンナ飯作れないもんねっふふんっ(ドヤ笑顔)(だって雅樹さんと同じだもんねっふふふんっ)」



第4章act.19-20の幕間で光一と雅樹@紳一郎来訪2、天然ツッコミ&シスコンな紳一郎です。

Aesculapius「Saturnus20」加筆もうちょいで校了です。
それ終わったら短編のナンカ+第77話の続きかなと考えています。
雑談or小説ほか面白かったらバナーorコメントお願いします、反応次第も続けるバロメーターにもしてるので。

気分転換がてら取り急ぎ、




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