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Pretenderの備忘録

十八代目中村勘三郎襲名披露 五月大歌舞伎

2005-05-05 22:05:16 | 歌舞伎
今月は夜の部へ。東京での襲名興行最後の月です。3月は昼、先月は昼、夜、今月は夜です。昼も行きたかったけど。
義経千本桜。菊五郎の佐藤忠信、菊之助の静、海老蔵の義経、左團次が法眼、田之助が妻で華を添える。菊五郎は家の芸であるし、熱演だったが、ここに宙乗りを持ってきた猿之助の演出家としての勘の凄さを思ってしまった。松緑の襲名の時の芝居は回りは凄かったがと思い出す、笑。今後、この芝居はどうやって受け継いでいくのかと考えてしまった。
鷺娘。玉三郎の独壇場。いや、確かに美しいですし、踊りもらしいところです。実際に本当の女性でもあれだけあでやかにこれを踊れる人はいるかと考えてしまいます。富十郎さんのお母様や小さい頃見た花柳寿美さんの全盛期ならという感じはしますが。カーテンコールも堂にいったもの。照明が非常に効果的に使われていました。衣装の色合いはもう少し違ってもいいかなと思ったりもしました。これは次に誰が踊りついで行くのでしょうか。
野田版研辰の討たれ。初演は海外にいて観れませんでした。鼠は観てますから、イメージどおりですね。テンポのいい、少しハチャメチャで、風刺が効いてる野田芝居。染五郎をあまり歌舞伎の舞台で見るチャンスがなかったのですが、この人はとにかく新しいものにチャレンジしていくのだなというのは良くわかり、市川宗家の海老蔵とは二枚目ながら違った路線を行くんだろうな。幸四郎とも違う道を模索するのだろうなと。声はイマイチ通らないのは親譲り?三津五郎や橋之助にそれほど存在感がない芝居でしたが、福助が頑張りすぎというか。鼠では扇雀がこういう感じでしたが。この人の道成寺の踊りも見てきてますし、しっとりとしたいい女形ですが、何でもできるということなのでしょう。勘三郎はいい味の芝居でした。やはりカーテンコールでした。
歌舞伎の現代における継承という意味では、非常に考えさせられる出し物3本だったと思います。7月には新しいチャレンジをわれわれは体験することができると思うと、わくわくします。

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Devils & Dust by Bruce Springsteen

2005-05-05 00:09:37 | 音楽 Rock/Pop/Jazz
29日に買ってから一週間聴き続けた。
前評判は、「ブッシュに対する痛烈な一撃」みたいな感じだった。
Born in the USAみたいな、怒りにシャウトみたいなアルバムを想像していた。
Bruceを聴き始めてちょうど30年。日本はもちろん、米国でも何度かツアーを観ている。2003年に米国で観たステージは、2時間ちょっとで、歳をとったなあと感じていた。PaulやMickやEaglesが3時間以上やってるのにみたいな。
今回のアルバムもいい意味で年輪を感じる。Nebraskaからなんともう25年近くもたっているのだけど、自宅のガレージで作ったあのアルバムに通じる、抑えた抑えた音作り。炸裂するEStreetBandのイメージとは違う彼の一面が大きく出ている。歌詞を読むと、タイトル曲はおそらくブッシュ批判だろう。black cowboysもまさにそうだろうな。Jesus was an only sonも。12曲中、3曲がそうなら相当なものだけど、それ以外は、アメリカの今と過去をしみじみ歌っているような曲だ。メキシコからわたってくる人を歌った曲もある。歌詞はジャクソンブラウンほどじゃないけど、相変わらず、難しいところも多い。でもBruce、あなたは何を訴えたいのだ。あなたが目指しているのはどんな世界なんだ。ついていけるかどうかは別にして、ジャクソンの方がそういうのは明確だと思う。歌詞を考えながら聴く一枚だろう。ロックンロールではない。

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