2,3日前、娘婿のぶじお君から電話がありました。
「今度の日曜日、高知へ行きませんか?」
え、なんで?
高知に阪神とオリックスがキャンプに来ているんだそうです。 う~ん、野球かあ~。 まあ、見たことないし、行ってもいいか。
金曜日に調べたところ、日曜日は、阪神とオリックスのオープン戦があるようでした。 まだだいじょうぶじゃない?というわたしに、地方でプロ野球を見ることはめったにないので、むしろ都会よりもチケットは売れているはずだとぶじお君は言います。 そしてやっぱりチケットは完売していました。
とりあえず球場へ行ってみようか、 当日券があるかもしれないし。
というわけで、高知へ行ってきました。 ぶじこは仕事なので、わたしとぶじお君と下の娘との3人旅。 かなり変なつれ。 ぶじお君、一人で行くのは淋しかったみたいなのです。
高知へは寒風山を抜けて行きます。
道の両側には雪が残り、遠くの山の木々は樹氷になっているのが見えました。 雪景色とはまたちがった美しさです。
岩からしみ出た水がつららになっているのを見つけて、わたしたちは大喜び。
道の駅に寄ってもみたりー。 こんなに道草くってたら、球場に着くのはいつになることやら。
試合開始30分前に高知球場近くまできたら、球場へ入る車で渋滞していました。 こりゃだめだ、とあっさりあきらめてとりあえず食事をするために日曜市近くにやってきました。
王監督ほかたくさんの有名人(誰のサインだかわからないけど ) のサインがあるおすしやさんに入りました。
わたしが食べたのは、花籠という名前のうどんとにぎりのセット。
食べているうちに、かなり隔てた場所から大きな声が聞こえてきだしました。
「たばこはね、気管が弱いから吸わない。 お酒は子どもの頃から飲んでたけど・・・・」
ええ~っ
わたしたちは、だんだん無口になってきました。 べつに盗み聞きしようとしたわけではありませんよ。 でも、いやおうなく耳に入ってくるそのお話が・・・・
「主人は、お酒は飲まないんだけど胃ガンで死んじゃった。 50歳で。」
「4人の子がいてね、わたしが働いたのよ。 子どもは反抗したよ。 なんでこんなに貧乏なんかってね。」
「大企業の下請けの会社だったんだけど、機械で指挟んでね。 保証金もらったのよ。・・・・・」
「指のないわたしをやくざのかみさんと間違えて悪口言う人もいて・・・・・」
「膝をけがしたんだけどお金がないから病院へ行かなかった。縫ってないから、トイレでしゃがむと血が噴き出してね。 一月ぐらい立ち××したよ。 治ったけど40年間古傷が痛んでね。今でも寒いと痛いよ。」
・・・・・・・
わたしたちはごちそうを食べながら、テレビドラマを見ているような気分になってきました。 壮絶な人生をおくってこられたんだなあ。 淡々と語る声が、返って説得力を増して心に響きます。
わたしたちはお腹も、胸もいっぱいになってお店を出ました。
さて、次に行くところは・・・・