(沖仲仕のエリック・ホッファー 仕事の合間に読書をする)
ボキは社会的不適応者だったのかも知れないと、エリック・ホッファーに気づかされた
エリック・ホッファーに関して、立花隆さんのコメントがあって、はっとなった。
>めっぽう面白い。彼の人生そのものが、これほど数奇な人生があろうかと思わせるほどに波乱に富んでいるが、それ以上に面白いのが、彼がいろんなところで出会った、数々の特異な社会的不適応者たちの語る自分の人生である。
立花 隆
核心をついている。「数々の特異な社会的不適応者たちの語る自分の人生である」の部分である。
こいつはボキにも当てはまるからである。エリック・ホッファーその人もまさに社会的不適応者ではなかったのか。そう思う。沖仲仕をやりながらの読書体験というのは、なかなかできない。こういう特異体験こそが、孤独を招来し、自己を鍛えるというものである。
彼には、他者依存がない。
エリック・ホッファーその人も孤独であったし、家庭的な幸福というものを求めなかった人なんだろうと思っている。今のところは。まだ全貌をつかんだわけではないから。これからエリック・ホッファーのように大図書館に通って、彼のことを調べるつもりだから。
しかしである。しかし、彼のような姿勢は非常にこころ惹かれる。
他人のせいにしないからである。
組織とか、会社とか、大学とか、学会とかのせいにしない。
静かにオノレを見つめているのだろう。
つまらない計算がない。打算がない。陰湿に裏でうまく立ち回って、結果として出世しようとか、ゼニ儲けしようというようなモンがない。
こういう生き方は他人をうらやむようなこともないのだろう。嫉妬心もないのだろう。
同級生が出世していってもこころ穏やかにしていられるという心境である。
ボキは、正反対であった。今もそうかもしれない。高校の同窓会に行きたくなかったというのが、それを物語る。ボキの高校は、いわゆる地方の進学校である。だから、同級生で功成り名を遂げた同級生がたくさんいる。医者も多い。大学教授もかなりいる。有名な俳人までいる。
ボキはただの田舎教師で終わった男である。だから同窓会に行くと惨めになると思っていたのである。つい最近までは。
退学した某大学大学院もそう。病気になってしまったから、退学したのであるが、どうにもこうにも二度と行きたくないと思っていた。それが変化してしまった。その退学した某大学生涯学習センターから、公開講座の案内をいただいたのである。
その案内に指導していただいた教授の徒然草の講座が載っていたのである。全12回。
エリック・ホッファーとの出会いがなければ、その講座にも申し込まなかったに違いない。
ところが、ボキは申し込んでしまった。
ふっきれたからである。
在野の研究者でありたい、エリック・ホッファーのように沖仲仕の哲学者とまでは言わないが(なれるわけもないけど)、ある意味目標ができたと思ったからである。
在野で徹底することがボキの意識の中になかったからである。それまで迷っていたのは。
ある意味、生涯学習でもって博士になりたいというのがそもそも不遜であったのだ。大間違いの元である。元凶といういうやつである。
そんな学位を取得したいというような野望よりも、論文を50本書いてみるくらいの徹底した追求心がなければ学位を取得してはならないとしみじみ思ったからである。
「数々の特異な社会的不適応者たちの語る自分の人生である」という立花隆氏の表現は、まさにボキ自身のことである。社会的不適応を起こしていたからこそ、ボキは生涯学習ごっこにのめり込んで行ったのであろうし、素人なのに、郷土史とか古文書とかに興味を持ってしまったのであろう(どっちも低レベルだが)。そう思う。
そもそも、大学学部時代もそうだった。労働をしながら大学に通ったのである。新聞配達である。朝、2時30分から起きて、朝刊を配り、夕刊もあり、集金もあった。これはある意味、沖仲仕よりもきつかった。朝刊と夕刊の間に、金持ちで遊び人の大学学部のクラスメイトたちと一緒に勉強していたのである。
つまり労働をしていたのだから、エリック・ホッファーのいうようにボキは大衆であって、知識人ではなかったのである。それが今でも続いているってぇわけだ。
そうなのである。大衆なのである。ボキは。迷いっぱなしの。
*
なんだか吹っ切れたねぇ~~~。
だから退学した某大学にも堂々と生涯学習センターに行けるというもんじゃ。
ご指導いただいた先生とも、わだかまりなくお会いすることができる。
吹っ切れたからである。
楽しみで勉強できるからである。
ついでに、中国語講座も申し込んだが。
こっちもお笑い草である。
ものにならないからである。
それでよし、それで。
迷える大衆の喜びなんだから。
わははっははっはははっははっはははは。
さ、今日は大図書館に100頁もあるノートを一冊持って、読書じゃ、読書。
Bye-bye!