日産社長「全く認識していなかった」
2017年10月5日(木)
日産自動車が、法令に定める検査を無資格者で行っていた問題で、社長が、「全く認識してなかった」という認識を示しました。
3日の朝日新聞です。
この問題の本質は何か?ということですが、コストですね、コスト。上からは常にコストを下げろという圧力が働きます。企業としてはある意味当然であります。ただ、そのことが部下として、法令違反はともかくギリギリの選択をする動機にはなりはしないか?また、そのようなことが常態になっていたら、何らかのきっかけで、法令違反に手を染めることになりはしないか?ということが透けて見えます。
恐らく多分、社長が法令違反をしてでもコストを下げろなんて言葉は言いますまい。しかし、理不尽にコストを下げろと言われると、部下は隘路にはまってしまって、逃げ道として法令違反に突っ込むということはあります。東芝がそうでしたね。
私なりに幼稚な推理をしますと、正規の検査員が上司から、一定の時間に一定の車の検査をするよう命じられます。ところが、無理があり出来ません。そこで上司にちょっと難しい旨報告します。その上司の選択は2択ですね。①その上の上司に報告し対応の指示を仰ぐか、②独断専行で、部下に「何とかしろ」と命ずるかです。②の場合、部下は法令違反に突っ込むということは大いに有り得ます。多分、私ならそうしたと思います。
・・で、①の場合ですが、上司の上司が解決能力があれば何らかの指示を与えるでしょうが、解決策が思い当たらない場合は、先と同様①or②の選択をする訳ですね。このようにして、トップの社長まで報告が上がっていく仕組みになっているかどうかが、その企業の真価を決めることになると、私は思っています。
日産には、そのような仕組みがなかったということが、バレちゃった訳で、企業としては危険がやばいといったことになると思います。
日産の社長のコメントとして、看過できないことがあります。「検査自体は確実に行われている。車が安全でないから再点検するわけではない。」と言っていることです。「安全」というのであれば、それを証明をして頂戴な!検査って何のために行うの?安全かどうか確かめるためではないの?無免許運転者がいくら安全運転を行っていると言ったって、その言い分は通らないでしょ! この西川という社長に企業のトップに立つ資格ってないでしょ! →このことこそ、日産が企業として危険がやばいと思いますです。
余談でありますが、ある自動車評論家が、「危険ではないので問題ない」、「大岡裁きを期待する」といった趣旨のことをブログで書いています。「大岡裁き」って、具体的に何を意味するのでしょう?日産には間違いなく行政処分がなされると思いますが、それは、法令の基準に基づき行われます。該評論家の言う「大岡裁き」が法令の基準に則らないものを期待しているとしたら、こりゃブラックジョークになりますですわ。