五嶋龍ヴァイオリン・リサイタル2015
2015年5月31日(日)
ヴァイオリンの力強さ、華麗さ、繊細さ、およそ全てのヴァイオリンの要素を、魔法のようなテクニックで表して魅せました。凄いとしか言いようのない演奏会でした。数年に一度経験するかどうかです。
・2015年5月30日、広島国際会議場フェニックスホール
・ヴァイオリン:五嶋龍
・ピアノ:マイケル・ドゥセク
・ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調「クロイツェル」作品47
・サーリアホ トカール
・フランク ヴァイオリン・ソナタイ長調
・ヴィエニャフスキ 創作主題による華麗な変奏曲作品15
(アンコール)
・グルック/クライスラー編 メロディ
・ハチャトリアン/ハイフェッツ編 剣の舞
・クライスラー 美しきトスマリン
ヴァイオリン・ソナタの最高傑作と言われるクロイツェルを冒頭に持ってきたプログラムです。普通、一番「重い」曲は最後に演奏するものですが、どのような思いで最初に持ってきたのか・・。
中期の作品ですが、力強さと同時に人間の生に対する大らかな賛歌を感じます。勇気づけられる作品です。
サーリアホという作曲家は、知りません。不協和音的響がありましので、現代作曲家でしょう。凄いテクニックがいる曲だというのは、素人の私でも分かります。弾き終えて、どうだと言わんばかりの表情が印象的でした。このテクニックには度胆を抜かれた人は多かったのではないでしょうか・・。でも、帰って改めて聴いてみて、あまり感動は覚えませんでした。これが、ベートーヴェンと違う点です。
フランクのヴィオリン・ソナタは人気が上昇していると言われています。甘美なメロディですが、段々と官能の響になります。ここら当たりが特に女性の人気を得ているところでしょうか。
ヴィエニャフスキには、度胆を抜かれるというより、茫然としてしまいました。ダイナミックで超高度なテクニックを駆使しての演奏には、どんな表現でもできるのではないかと感じました。哀切感のあるメロディもありました。
アンコールは3曲と大サービスでした。剣の舞では弓で派手に弦を叩く音が反響して、後方から馬がギャラップで追って来るというような感じを受けました。最後のクライスラーが始まると拍手が起こりましたが、これ龍の定番なんでしょうか。曲中に拍手というのは一般的に思わしくありませんが、この場合は演奏者との気持ちが通じ合ったもので、龍も思い切り笑顔を見せていました。
フェニックスホールは、平和公園内にあります。
国際会議場入口です。この一部がホールとなっています。
大きな太鼓が飾ってあります。
CD売り場は、繁盛していました。演奏が終わってからも黒山の人だかりです。そりゃそうでしょう。今回の演奏を直に聴いた後では、もう一度味わってみたいと思いますわな。
1,500人程度のホールです。本当はアリーナ席があるのですが、最近使っているのを見たことがありません。本日、当日券ありませんでしたので、このアリーナ席の発売もありーかなと思いました。
私が間違って座った席です。前から4列目で、ラッキーと思ったのですが、本当は前から14列目でした。この席は、主催関係者とコネがある人から入手したもので、多分S席の中でも一番良い辺りだったと思います。(14列19番)
サイン会の行列です。見る限り女性ですね。私が座った席の列は12人中男性は私だけ(一応妻も女性ですので)、私の前の列もそうで、後ろの列は全員女性でした。間違いなく90%台が女性の聴衆でした。