マツダ「アクセラ」モデルチェンジ
2009年6月14日(日)
6月11日にモデルチェンジした、マツダの世界戦略車種「AXELA」。
価格の設定が微妙だ。2000ccの廉価モデル20Cは189万円とインサイトの最廉価モデルと同じ、ハイグレイドの20Eは205万円でプリウスの最廉価モデルと同じだ。
好調ハイブリッドに真っ向から闘いを挑んだのか、と思いきや、セールススタッフによると、エコ性能では、プリウス、インサイトに太刀打ちできないことを率直に認め、「走り」で独自色を出すという。
しかし、この時勢、「走り」だけでは生きていけない。燃費でマツダが用意した回答は、「i-stop」というアイドリングストップだ。
これは、中々の優れものと思った。
停止直前にエンジンをストップするのは、他の方式と同じだが、エンジンをかける時、スターターを回さない。
スタッフの説明によると、4つのシリンダーヘッドを同じ高さの状態でストップさせ、スタートする時は、シリンダー内にガソリンを直接噴射し、着火する。ブレーキペタルを離してからエンジンがかかるまでの時間が他の方式の半分の0.35秒と言う。
短所としては、直噴エンジンでしかこの方式は採用できないこと。
私が一番関心があったのは、エンジンがかかる時と切れる時のショックの程度だった。
試乗の結果、振動はかなり大きい。「気になる人は気になる」。改めて、プリウスの凄さが分かる。振動がほとんど分からないのだから。
マツダはこの車を国内では2000台売ると言っているが、厳しいだろう。
マツダは、次世代環境カーとして、水素ロータリーを細々とやっていたが、「水素」は率直に言って次世代カーにはなり得ない。危険なのだ。
マツダが生き延びる手は、ハイブリッドや電池カーの他社の技術を買うしかないと思っていたところ、最近の情報が入ってきた。
「(06/10)安川電機、マツダと「ハイブリッド電気自動車用モータドライブシステム」を共同開発 」
内容を見ると、「電気駆動系の高効率化のメリットを最大限に活かせる方式として、エンジンの出力をすべて電気エネルギーに変換し、全駆動をモータのみで行うシリーズハイブリッド方式への適用を目指して開発しました。」とある。 シリーズ方式だ。
ガソリンと電気モーターのハイブリッドが、二つの動力源を持つという非効率があるのに、結果として効率的なのは、エンジンと電気モーターの得意の分野を上手く使い分けるからだ。
シリーズ方式では、この使い分けが限られるので、効率化が難しいということになる。
バッテリーの値段が高いという現状からすると、少量のバッテリーで済むシリーズ方式も考えられるが、バッテリーの値段が下がると、シリーズ方式はバッタリーだろう。
やはり、マツダが生き延びるには、他社の技術を買うしかない。
2009年6月13日、広島市南区のマツダのデーラー。
マツダ車は、デザインは中々良いと思う。
試乗車。