トヨタMR-S
2008年3月28日(金)
ミッドシップによる「人車一体感」で「fun to drive」(2006年11月記録)
「何時かはオープン2シーターに!」という願い絶ちがたく、年齢的にも最後のチャンスと考え、2005年11月購入を決断しました。
ベンツのSLKは夢で、私の資力からして、ダイハツコペンとトヨタMR-Sに絞られました。コペンはハードトップが電動ということで、実に魅力的でしたが、妻との試乗で、妻曰く「ちゃっちぃ」。この一言で、わが国唯一のミッドシップMR-Sに決めました。グレードはSエディション、シルバーマイカメタリック、6速MT。ホンダのオートバイ「スーパーブラックバード」(1,100cc)に乗っていたことがあり、「コン、コン、コン」と小気味良い減速フィーリングが好きだったので、シーケンシャルに大いに興味がありましたが、試乗車がなく、シフトタイムラグがどの程度か分からず、馴染みのMTにしました。オプション等として、ヘリカルLSD、カーナビ、オーディオ、TRDのタワーバー、同ブレーキホース(ダイレクト感が格段に向上しました。)、セキュリティシステム、ボディコーティング等々合計約250万円。(諸経費除く。)徳大寺有恒氏が「間違いだらけの車選び」(2003年5月)の中で「世界的に見ても、このクラスの本格的ミッドシップスポーツが200万円足らずで買えるというのは奇跡的だ。」と評した車ですが、私にとってはなけなしのお金だったので、とても大事に乗っています。
メンテナンスは購入したデーラーの「マイレージパスポート」で半年毎点検。しかし、1か月経たない800kmでオイルとエレメントを交換しました。私のような昔人間は、その昔、新車直後のオイル交換で金属の削りカスがオイルに混ざっていたという話が頭から抜けず、どうしても気になって仕方なかったのです。マイレージパスポートで半年毎オイル交換がありますが、それとは別に5,000kmを超えるとエレメントと同時に交換しています。馴らしは、1,000kmまではエンジン回転は3,000まで、3,000kmまでは4,000回転まで。暖気は、地球環境のことを考えると停車中は好ましくないので、約500mを15km弱で走ります。減速はダブルクラッチを踏み、軽くエンジンを吹かしギア回転を合わせて行っています。幌なので当然手洗い洗車し、その都度ワックスがけ。屋根付の駐車場を○○○○○円も出して借りています。
こんなに我が孫以上に大事に乗っていたのに、やってしまったのです。北海道の利尻富士を良いアングルでカメラに収めようと私道に入ったのが運のつき。その草むらに倒木が隠れていようとは!左前タイヤで倒木を起こしてしまい、左ボディを擦ってしまいました。(当分深く落ち込みました。)直に大手カ○コ○ビ○で見積を取ると、15万円で綺麗になりますよと言うことでしたが、修理には出しませんでした。走行には全く影響がなく、1年位後には乗り換える予定なので、乗っていただける方がいれば、修理するか否かはその人が判断した方が良いと考えたからです。乗り換えは、MR-Sが気に入らないからではなく、何せ車高が低く、妻が乗り降りに「杖」が要ると言い出す始末で、私の楽しみだけで長くMR-Sを乗り続ける環境ではないからです。
普段の使用は、往復40kmの通勤で、省燃費運転に心がけ、3,000回転以上回すことはほとんどありません。私の場合のポイントは、「車間距離を十分にとる」ということで、広島市内の通勤で11km台ですが、高速道路では以外と悪く、約16km。前の車は同じエンジン(多少チューニングは違う)のビスタでしたが、高速で20km走ったことがあり、約200kgの車両重量差を考慮すると、6速はもう少しハイギアリングでも良いのではないでしょうか。
いつも省燃費運転だとストレスがたまるので、連続したワインディングでは、「神の手」を借りたような感覚で両手・両足を操り、トゥー&ヒルでスローイン・ファーストアウトで駆け抜ける。このミッドシップゆえの「人車一体感」の血沸き肉踊る「fun to drive」は私の文章力ではとても表現できません。
しかし、神は公平なもので、「神の手」を与えると同時に「お灸」をすえられました。○○kmオーバー、罰金○○万円、反則6点、免停1か月。講習を受ければ免停免除でしたが、敢えて免停を選び、おかげで、片道50分の通勤が100分の痛勤になり、苦痛を味わうことで罪の償いと、日々反省しています。
操る楽しさは述べましたが、運転して最初に感じたのは、「危険回避能力が高い」ということでした。回頭性が高いので、瞬時にパッと危険物を避けることができます。それと、高速道路の追越しレーンでは大抵の車が譲ってくださいます。(これは余計な話かな?)
荷物は、トランクがシートの後方にあるだけなので、殆ど期待していませんでしたが、実は結構積めます。車重を軽くするため、スペアタイヤを外し、ホルツのパンク修理剤を置き、フロントにも結構スペースが空き、また、幌を付けた状態だと、幌を収めるスペースがこれまた結構あり、相当長期の旅行でも2人分は十分です。
オープンは、夏は暑くて苦痛で、むしろ冬の方が良いです。ヒーターを効かせ、防寒着にマフラーと帽子があれば十分。外気との触れ合いは、オートバイの頃を思い出させ、若返ります。
不満は「設計が古く、オープンだから車体剛性が低い」ことのみに尽きます。でも価格を考慮すると誰も文句は言えないでしょう。
最後に私のMR-Sを大切に乗り継いでみたいという奇特な方がおられまで、このMR-Sが私を楽しませてくれるでしょう。
以上は、自動車雑誌「ドライバー」誌に投稿し、採用されたものですが、私としては「肝心な部分」がカットされていましたので、一部修正し全文掲載します。
注 削除された主な部分
①スピード違反をしたこと。
②トゥー&ヒルでスローイン・ファーストアウトで駆け抜ける。
③高速道路の追越しレーンでは大抵の車が譲ってくださいます。
MR-Sに乗っていたのは、2005年11月から2007年3月まで。私の人生時計にすると、「16時44分から16時49分」のわずか5分間ということでしたが、楽しかったです。 チン