広響名曲コンサート 音楽の花束2020冬
2020年2月20日(木)
2月2日、広島交響楽団の演奏会へ行って参りました。
本日の曲は、ウェーバーの「オイリアンテ」序曲、ブラームスのバイオリン協奏曲、ドヴォーザークの交響曲第9番「新世界より」であります。
奏者は、指揮:飯守泰次郎、ヴァイオリニスト:大江馨であります。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲ですが、本日面白く感じられなかったのです。
不思議です。ブラームスに裏切られるということはなかったのですが・・。「裏切られる」とは、いつもは、大体しみじみと良さを感じるのです。
一昨年の諏訪内晶子の演奏が重しになっていたのかも知れません。「重し」というのは、この時が素晴らし過ぎたのでどうしても比較するようになっちゃうんですね。
新世界ですが、出だしホルンの弱音があるのですが、上手い! 次は広島交響楽団のサイトから引用しました。
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この度2019年4月より、広島交響楽団 首席客演ホルン奏者として山岸博(やまぎしひろし)氏に就任いただくこととなりました。 山岸博氏は、1975年にベルリン交響楽団に入団。翌1976年にはケルン市立歌劇場管弦楽団に首席奏者として迎えられて以来、バイロイト音楽祭に日本人管楽器奏者として初出演を果たすなど、世界的な活躍により、1984年から読売日本交響楽団にソロホルン奏者として迎えられ、2014年まで30年にわたり同楽団を支えて来られた日本ホルン界の重鎮です。現在においてもコンサート活動や後進の指導等、多忙を極め、2019年度の広響への客演は4月の定期演奏会を皮切りに12回の出演を予定しています。 山岸博氏の広島交響楽団での活躍にどうぞご期待ください。
このように上手な方がおられると、オケがビシッと引き締まるような感じがいたします。
飯守の指揮は、歯切れのよいものでした。終楽章の盛り上がりは圧巻でありました。2楽章のイングリッシュホルンでありますが、音が揺らいでいました。肺活量的に厳しいのでありましょう。
この日、マチネーでありました。
写真には写っていませんが、左に原爆ドームが見えます。
フェニックスホールという1500席のホールです。シートの横幅が広くゆったりしています。
トラブルが! 私の席に座っている人がいたのです。すわ、ダブルブッキングかと思いきや、その方がカン違いしていたのであります。席を温めておいていただき、有難うございました。(ハハハッ)
バルコニー席もあります。来年度はバルコニー席をwifeと共に2席で取ることにいたしました。年3回の演奏で、A席7000円也! 超バーゲンと思います。
帰り道に撮りました。
本郷新の「嵐の中の母子像」です。「嵐」とは勿論原爆のことであります。
母親の我が子に対する限りない愛情を感じます。写真では分かり難いのですが、兎に角手足が逞しいんです。力を感じるのです。
職場で同僚だった方ご夫婦も来ておられます。以前辻井伸行の番組を録画したブルーレイディスクを10枚程度差し上げました。そのお礼ということでケーキをいただきました。thanksです。
しっとりとした舌触りであまり甘くなく上品な旨味の高級ケーキでありました。
これは演奏会とは全く関係ありません。高校生が盆の期間に広島における他県のナンバープレートを調べたものです。
世界全体の食料の廃棄状況を調べています。その視点にいいね!であります。
話は元に戻りまして、2018年の諏訪内の演奏のブログです。
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広島交響楽団第385回プレミアム定期演奏会
2018年11月17日(土)
11月16日、広島交響楽団の演奏会へ行って参りました。どうしても行かねばならない演奏会だったんです。一回聴き逃したことがあったので。
このところ、忘れたりすることが多かったので、朝から何度もチケットを確認しました。(笑)
https://blog.goo.ne.jp/windy-3745-0358/e/d9420d57d0c848805f45c6ecfc420d6d
電停から徒歩約10分。途中橋があり、橋の真ん中で北方向を写しました。一休さんの気分を味わいつつ。
広島文化学園HBGホールです。旧厚生年金会館でありました。
道路を挟んで南側にアステールプラザという広島市の施設があり、ホールもあります。過日のことですが、施設のスタッフに「直ぐ近くに同じようなホールがあるって無駄でしょ!」と言ったところ、かのスタッフは「必要です。」と宣われました。質問を変え、HBGホールが広島市の施設だったら、アステールプラザを造ったと思いますか?と尋ねました。かのスタッフ「造らないでしょうね」。 国、自治体間の二重行政の弊害であります。
何時もは、当日券売り場の窓口が開いているのですが、本日ありません。入口に事務局長がいたので尋ねたところ、完売ということでした。多くの人が、すわっと馳せ参じたのでありますな。
意外とCD売り場が繁盛していませんでした。早かったからかも・・。
私が座った席です。3列38番。
諏訪内晶子が、そのスレンダーな肢体に群青色に近い青のドレスをまとって出てきました。そのドレスにはビーズが散りばめられていて輝かしい光を放っているのであります。
今日の曲目に、赤や黄色系は似合いません。諏訪内のsenseが光っています。
1990年史上最年少でチャイコンクール優勝という衝撃の偉業を成し遂げた諏訪内も46歳となりました。普通なら随分と歳をとったなということになるのかも知れませんが、私なんかからしたら、まだひよっこ同然であります。その美貌もいささかも衰えを知りません。「ひよっこ」と「美貌」はちょっと結ぶ付きませんけど・・。(笑)
明るさと哀愁感が微妙にマッチングしたメロディが弦のユニゾンで始まります。(注 全楽器の「ユニゾン」かどうか確証がありません。)それは、私の心臓を包み込むようであります。私事で恐縮ですが、私は狭心症で心臓を締め付けられる発作を幾度も経験していますが、狭心症の方は痛みで、ブラームスの方は解放(介抱)なのであります。
比較的長めの序奏が終わり、諏訪内のフォルテッシモのアタックが弾けました。音に揺らぎが無い! それは弱音でも同じです。ピタッとした精緻な弓使いというのでしょうか。
諏訪内の操るストラディヴァリ「ドルフィン」の凄いこと! 私の席は前から3列目ですので、良く聴こえて当たり前ですが、恐らく多分ホールの隅々まで鳴り響いていたことでしょう。オケの方が完全に負けていましたね。それでも、弦セクションは何時もより増強していたんですよ。音色的には、優雅というより無骨に感じましたが、ブラームスにはこの方が似合っています。
それより何より、諏訪内の超絶技法に耳のみならず目を疑いました。(笑)ビブラートの指使いは、まるで映像を早送りで見ているようでした。小指だけ、超高速で動かすんです。私も帰る道すがら真似してみましたけど、小指を動かそうとすると薬指と中指まで動いてしまいます。百年経っても真似すらできないでしょうね。(笑)
AIロボットが近いうち独奏者として現れ、技巧的には人間を凌駕するかも知れません。しかし、「美」を生み出すことができるのか? 諏訪内のしなやかな肢体の動き、筋肉質で締まった二の腕三の腕の動きは、見方によればその正確さゆえロボットアームに見えるかもしれません。しかし人間の動きは、顔、身体、腕、指と全て有機的一体感があるのであります。諏訪内が弓を弦に微妙に当てて奏で瞬間に見せる恍惚とした表情に魅せられ、私は美を感じるのであります。
4番が始まりました。2楽章の冒頭管が目立ち過ぎかなという部分はありましたが、楽器全体のバランスがよくとれている演奏と思いました。えっ!と関心したのは、3楽章のフルートです。絶妙のバランスでオケに融け込んでいました。演奏が終わり、最近では多くのセクションの奏者を立たせるのですが、本日はフルートの中村めぐみさんだけでした。
中村めぐみさんと言えば、昨年、下蒲刈島での演奏会で聴きました。
https://blog.goo.ne.jp/windy-3745-0358/e/ac054cb2ddfcd4db3d31cea5ffc17139
同じフルートの高木綾子さんとのデュオコンサートでした。高木さんというと日本の第一人者と思いますが、当日は調子が余り優れなかったのか、中村さんの方が精彩があったような気がしました。広響も凄い奏者を持っているものであります。
第4楽章は、ちと変わった雰囲気を感じました。それまでの楽章と違い演奏者には難しい場面が多かったのではないかと思います。ブラームスの管弦楽はマーラーのような派手さは勿論ありませんし、ブルックナーに較べてもシンバルがなく、地味(渋い)です。でも濃密さでは引けを取りません。圧倒的スケール感のエンディングは波紋として長く残るんです。
第一ヴァイオリン14人、第二12人、ヴィオラ10人、チェロ8人、コントラバス7人。何時もよりか5人程度の増強と思います。
順番が逆になりましたが、諏訪内のアンコールです。何かの変奏のようでありました。これも勿論超絶技巧でただただ、茫然と聞くのみという感じでした。ただ、今回の演奏会で惜しむらくは、あまりピアニッシモがなかったということです。諏訪内の緊張感のあるピアニッシモを聴いて見てみたかったです。
実は、もう5年位前になりますが、一度諏訪内の演奏を聴き逃したことがあります。チケットはwifeも含めて買っていたのですが、直前の夫婦喧嘩で聞く気分になれず、人に譲ったことがあります。ということで、私が死ぬまでに諏訪内が広島にまた来ることを願って、次回はwifeと一緒に行きたいと思います。
最後に、今回の演奏会ですが、何と4,560円也!で聞く事ができたんです。A席だったんですが、私にとってはSS席も同然でした。何せ諏訪内が私の方を向いて私のために演奏しているのではないかと見まがうようなポジションだったからなんです。
翌朝、楽友に演奏の感想をメイルしました。レスに「諏訪内はちょうど私の方を向いて演奏していた。」とありました。何~だ、誰もそのように思うんだ。(ハハハ)
何は兎も角、記憶に残る演奏会でありました。ブラーヴォ!!