団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

広島交響楽団第308回演奏会

2011-04-25 18:08:08 | 音楽
                   広島交響楽団第308回演奏会

                                         2011年4月25日(月)

 「タタタターン♪ タタタターン♪」
 第1楽章冒頭、ベートーヴェンは、強く激しく繰返し繰返し、私に問いかけます。

 福島原発の事故は、自然災害ではなく文明こそが私達にとって最大の危機要因であること明らかにしたと思います。
 私達の暮らしを豊かにするはずの文明が、実は危機要因であったというこの不条理をどのように考えるべきか、ベートーヴェンが私に問いかけているように感じたのです。

 哲学者の梅原猛氏は、福島原発の事故のことを、「私は『文明災』だと思う。原発が人間の生活を豊かにし、便利にする。その文明がいま裁かれている。」と話しています。高尚な哲学者の深い意味合いが、私に分かる訳はないのですが、私に考えるヒントを与えてくれた言葉があります。
 それは、津波により全てを失った被災者を、自らも全てを失った医師が、医療支援をする現場で感じて言ったことです。
 「全てを失ってみて、初めて、みんながたすけ合う大切さが分かった。」


 私は、格差のない社会でみんなが連帯し助け扶けあって生きる社会こそが、資本主義的経済発展至上主義「文明」の価値観からの転換を図ることができるものだと感じました。


 曲は、第4楽章で、「タタターン♪ タタタタタターン♪」と第一楽章のモチィーフが再び繰返されますが、短調から長調に変わって明るくなっており、昇華しています。
 人類が造り上げた危機は、私達が解決できないはずはない。その確信と希望と勇気を私に与えてくれた、ベートーヴェン作曲交響曲第5番ハ短調作品67「運命」でした。(ブラボーーー!!!)
 




(プログラム)
・ヴェルディ      歌劇「運命に力」序曲
・モーツアルト     ピアノ協奏曲第21番ハ長調
・バーバー       弦楽のためnアダージョ
・ベートーヴェン    交響曲第5番ハ短調「運命」

 指揮:秋山 和慶
 ピアノ:伊藤 恵
 広島交響楽団


・2011年4月17日、広島市中区「広島市文化交流会館」。





 かつては厚生年金会館でしたが、国の資産処分により、今では広島市が運営するようになりました。
 その結果広島市は、なんと、道路を挟んで大ホールを二つ持つことになりました。結果的ではありますが、何という無駄遣い!



 東日本大震災の影響が、遠く離れたここ広島での演奏会にも影響があったんです。
 
 この日の演奏会は、スウェーデンからの指揮者とピアニストの予定だったのですが、スウェーデン政府の渡航を自粛するようにとの勧告により、指揮:秋山和慶、ピアノ:伊藤恵に変更になりました。
 福島と広島では900㎞は離れていると思いますが、地図を見ると隣のようなものですから・・。

 ヒロシマとフクシマは離れていますが、私の気持ちとしては一緒です。(ヒロフク連合)



 楽団員の皆さんがカンパを訴えていました。






 支援一色です。
























 翌日の中国新聞の記事です。
 ベートーヴェンの「運命」では管弦一体の響きで復興への願いを強く表した、とあります。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カクテル | トップ | ひろしま八雲 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

音楽」カテゴリの最新記事