水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

人生の「攻略」法(2)

2019年03月22日 | 学年だよりなど

  学年だより  人生の「攻略」法(2)


 圧倒的な量のトレーニングをこなすと、脳そのものが変化するという話(学年だより№46)を前に書いた。その臨界点が「1万時間」ということなのだろう。
 量をこなすことによって、特定の技術が身につくだけでなく、その部分を司る脳の領域そのものが変化していくという。これから脳を作り変えていけなら、「無限の可能性がある」という言葉もウソではない。ただし、「何をやっても」とは言えない。
 自分の好きなことでなければ、「1万時間」を費やせないからだ。


 ~ 最近はキャリア教育とかいって、大学生のうちに、あるいは高校生のときに、自分の「スペシャルなもの」を見つけなさいと教えているようだけど、ぼくはこれをあまり信用していない。高校生のときは彼氏/彼女のことで頭がいっぱいなのがふつうだし、大学生は遊びに夢中で、たまに「こんな世の中はまちがってる」とか「この世界をもっとよくしたい」とか議論する方がずっと健全だ。だから、こういう「教育」は話半分に聞き流しておけばいい。
 大学3年生になると就活がはじまって、そのルールをどうするかでもめている。これについてもぼくは、大学を出て(中退でも高卒でもいいけど)どこかの会社で働くことは勧めるけど、就活に必死になることはないと思っている。
 かつての日本は、いったん就職すると、その会社に40年間閉じ込められるのが当たり前だった。就職氷河期の頃は、「就活に失敗すると一生負け組」といわれた。でもこんな異常な制度は崩壊しつつある。いまでは20代なら、あるいは30代前半までは、何度でも転職できるようになった。
 最初から「好き」がわかっていて、夢に向かって一直線に進んでいける幸運なひとを除けば、「好きを仕事にする」方法はたぶんひとつしかない。それはトライ&エラーだ。そのときに大事なのは、会社ではなく仕事を選ぶことだ。
 世の中にはものすごくたくさんの仕事がある。それでもなんとなく、自分に向いているものと、向いてないものはわかるはずだ。なぜなら、君のスピリチュアルが「自分らしくない」ものを拒絶するから。
 こうやって自分に向いていそうなものをある程度絞り込んでも、まだまだたくさん仕事はある。だとしたら、あとは試してみるしかない。
 自分らしいかどうかを基準にして、面白そうな仕事をいろいろ試してみるなかで、なにが「好き」かがわかってくるはずだ。 (橘玲『人生は攻略できる』ポプラ社) ~


 大人がみなさんを見てうらやましく感じるのは、みなさんが持っている時間という資産のあまりの大きさにまぶしくなるからだ。
 好きなことを探す時間があり、一流になるための努力をする時間がある。
 さらに言えば、「人類史上もっともゆたかな日本に生まれた」という幸運を手にし、健康な精神と身体を有している。この資産こそが幸福の土台だ。有効に使ってみませんか。

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人生の「攻略」法

2019年03月22日 | 学年だよりなど

  学年だより 人生の「攻略」法


 日本の社会の高齢化は進む一方であり、経済力は東南アジアの国々にどんどん抜かれていき、国の借金は嵩むばかりで破綻するのも時間の問題であり、この先いろんな仕事はAIにとってかわられ失業率も増えていく……。
 日本の若者の未来は明るいとは言えないという話を耳にしたことはあるだろう。
 しかし見方を変えるならば、そういう社会において、若者の価値は高くなる一方だということでもある。


 ~ 少子高齢化によって、これからの日本は高齢者がものすごく増えて、若者がどんどん少なくなっていく。これはふつう、「高齢者の年金や医療費で国の財政が破綻しそうになって、そのしわ寄せで若者が割を食う」と説明される。たしかにそういうことはあるだろうが、もうひとつ大事なのは、「たくさんあるものは価値が低く、すこししかないものは価値が高い」という市場原理だ。
 この「需要と供給の法則」によって、若い君たちの「市場価値」はこれからどんどん高くなっていく。人手不足が深刻化する日本では、大学を卒業すればほぼ全員が就職できるし、優秀な若者を大企業が奪い合うようになった。いまですらそうなのだから、君が社会に出る頃にはさらに価値が上がって、なんでも好きな仕事を選べるようになるだろう。
 だとしたら、このチャンスを活かさない手はない。
「幸福の土台」を手に入れるために必要なのは、新しい時代のルールを理解して、大事なところで正しい選択をすることだけだ。これで人生は「攻略」できる。 (橘玲『人生は攻略できる』ポプラ社) ~


 人生を「攻略」する手段として、「好きな仕事をする」ことが一番だと橘氏は言う。
 なぜか。好きなことは「圧倒的な努力」ができるからだ。
 好きなこと、得意なことは頑張れる。それによって他人から評価される。
 すると、ますます好きになって夢中になってがんばれる。
 「1万時間の法則」というものがある。
 どんなことでも、一流になるには1万時間の訓練や実践が必要だという法則だ。
 1日10時間やって1000日。1日10時間の練習を3年間続けること。一日5時間なら6年。
 相当の量にも思えるが、スポーツや芸術の分野で一流の人を想定してみれば、ふつうにこなしている量のはずだ。
 3歳から毎日5時間ピアノを練習し続け、小学校高学年でコンテストで上位入賞するというレベルだ。超一流をめざすには十分ではない量だとも言える。
 とはいえ、好きなことでなければ、それだけの努力を積み上げることはできない。
 小さいうちから親がやらせようとしても、その子にあっていなければ続かない。
 逆にたまたま、好きなことにめぐりあえば、一日何時間でもやっていられる。
 1日3時間の努力を10年できれば、一流になれる。
 みなさんは、たいがいのことに、今からチャレンジして一流になれる時間をもっている。

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