3月30日。トラックから楽器や荷物をおろし一息ついた時、川北先生からのメールに気づく。「逆リハになったので、9:45から3部です、来られないですよね……」。行ってやろうじゃねぇか。中島先生にお願いし、急遽パルシティへ。客席の導線や、スタンドマイクの位置など確認し、一通り歌わせていただく。
自分のリハのあと時間があいたので、朝霞駅前に向かう。およそ30年ぶりに会う友人が朝霞駅前のホテルに泊まっているとのことで、ほどよい居酒屋などあるかどうか見にいった。有名なチェーン店がそこそこあるから、行き当たりばっかりでいいかと判断したのは、後で考えるとややあさはかだったが。こういうときに、「ここ」という行きつけのお店があればかっこいいのだが、そんな人生は送ってなかったなと思う。
パルシティにもどる。リハ開始ころの様子を見た時、このペースで本番までに間に合うのかという心配がなかったとは言わない。しかし、天下のエンターテーナー川北栄樹には杞憂だった。
「富士山(MontFuji)」「マードック」と続く重厚な一部、うちよりもセリフの多い二部の劇、そしてダンスやスペシャルゲストの3部。なんと盛りだくさんの演奏会なのだろう。あ、スペシャルゲストって、昨年に続きボーカリストとしてお招き頂いた私めのことだった。今年は西城秀樹「ブルースカイブルー」「ヤングマン」のメドレーを。紹介されて客席後方のドアから入っていくと、たくさんのお客さんから握手を求められる。まるでホームのあたたかさをだと感じ、バックについてくださったダンサーさんの完璧なふりにのせられ、遠慮なく歌いきった。今年も受け入れていただいたかもしれない。