水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

立体的時間(3)

2023年03月16日 | 学年だよりなど
2学年だより「立体的時間(3)」




 どんなにすぐれた能力を持つ人でも、朝から晩まで、ずっとハイレベルなパフォーマンスをし続けることは不可能だ。
 朝起きて活動し続けていけば肉体は疲労する。身体としての脳ももちろん疲弊していき、その脳が生み出す「やる気」「気力」も、時間とともに減少していく。




~ 朝起きたときには夜のうちに充電していたおかげで、バッテリーは100パーセントですが、日中活動していると、それがだんだんと減ってきます。あまりにも減りすぎると途中で疲れて動けなくなってしまいます。20パーセント、10パーセントを切ると低電力消費モードとなり、いろんなパフォーマンスが下がってしまうのです。
 ですから、体力だけでなく、やる気などの心の力、すなわち気力も日々、目減りしていくことを頭に入れて、省エネで動けるようになるよう、日々の行動を見直すことも大切なのです。
 毎日の気力の絶対量は決まっているわけですから、自分の気力を無駄遣いしないことは、日々のパフォーマンスの質を維持することにもつながり、ひいては自分の時間を大事にすることにもなります。しかし、まったく気力を減らさないということは、生物としての人間である以上、無理な相談です。ですから、重要なのは1日のうち、気力の配分をよく考えて行動するということが大切になります。
 気力が必要なハードな仕事やクリエイティヴな作業は、朝起きてから気力がみなぎっていて、充電がたっぷりされている午前中の間に行うようにするとよいでしょう。
 そうした作業は昼過ぎくらいまでには終えて、気力が減り疲れも出てくる夕方や夜には、さして気力を必要としない、自動的に行えるルーティンワークのようなものを行うようにするとよいと思います。
 仕事で疲れて帰ってきた夜、気力はもうゼロに近くなっています。そんな状態で、また別のタスクをこなそうとしても、大体うまくいきません。充実した活動ができるのは、やはり朝起きて、体力も気力も充実した午前中の時間帯だということです。
            (勝間和代『勝間式タイムパフォーマンスを上げる習慣』宝島社)~




 一日の「気力配分」という考え方は、人生に敷衍できるのではないだろうか。
 みなさんは、いままさに人生の「起床後2~3時間」頃を過ごしていると考えられるからだ。
 みなさんの脳は、圧倒的情報量を機械的に処理していく能力にすぐれた脳から、思考力を発揮できる脳に変わろうとしている。同時に、身体的可塑性がきわめて高い時期を送っている。
 起床して数時間、午前中に該当する今から三十代(四十代かな?)は、やりたいことをやりたいだけやっても、対応できる。やりたくないことを無理強いされると脆い時期とも言える。
 今が、「人生の気力」というリソースを思い切り投入するべき時期ではないか。うらやましい。

コメント
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