水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

やりきる

2023年08月15日 | 学年だよりなど
3学年だより「やりきる」




 インターハイも総文祭も終わり、冬に本番を迎える一部の部活を除いて、多くの人はいったん現役を退いている。高校二年半の部活はどうだったか。やりきったと言えるかな。
 「やりきった」と感じられるかどうかは、やはり結果よりも過程にあるのではないだろうか。
 もちろん、勝つことは大きな目標だ。
 しかし、試合は優勝する1チームを除き、必ずみんな負けて終わる。
 負けることが義務づけられた戦いに、みんなは挑んできたとも言える。
 最終的に負けることがわかっていて、なぜ戦うのだろう。
 勝つこと自体ではなく、勝ちを目指して懸命に努力することに価値があると、からだのどこかでわかっているからだろう。
 もしくは、その活動自体が楽しいか。苦しい練習ほど楽しいときもある。
 やればやるほど、勝つかどうかについての意味は減っていくのではないだろうか。




~ 中学のとき運動会のかけっこで、
 欠席者が多かったのか、たった一人で走ることになったやつがいた。
 でもそいつ本気で走って。
 見たら歯食いしばるくらいガチの顔やねん。
 誰も相手おらんのに。
 みんな大爆笑してたわ。ゲラゲラ笑ってた。
 そのとき、おれは思った。
 こいつは、なんてかっこええやつなんやと。
 あまりのかっこよさに、鳥肌が立って、泣きそうやった。
 あの光景が、今でもずっと目に焼き付いている。
 今、なにをすべきか。それをなんのためにしているのか。
 そんなことは、正直どうでもええと思った。
 没頭できたら、それだけでもう成功者なんや。
 没頭している時間ほど美しく、幸福を与えてくれるものはない。
               (ジョーブログ『瞬発力の高め方』サンクチュアリ出版)~




 やってしまっているのだから、思い存分やった方がいい。
 どれくらいやれば受かるかとか、コスパとかタイパとか、今はまったく考える必要はない。

コメント
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