今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

端境期不況

2009年02月05日 | 時事
今の日本の不況は、アメリカのサブプライム問題やリーマンの破綻の直接の影響ではないし(心理的影響は甚大だが)、直接影響によるアメリカの消費低迷だけでこんなに影響をこうむるのでもない。
原因は、国内消費だろう。
「雇用不安が消費を抑えている」という部分は、雇用が不安定な低所得層の問題で、消費額としての影響は大きくはない(中流層の下流化という問題はあろうが)。
直接的には、経済的に余裕のある層(下流化していない中流)が消費しないのが問題。
つまり、金は手元にあるのだが使わないのだ。

まずは国内の低金利。
そのため余剰資金が外国に流れ、それが株価暴落と円高で損失を出している。
つまりリターンがマイナスになっているので、消費に回せない。

そしてそのようなリスクを嫌った人たちは、タンス預金。
経済学的にはこれはお金が存在していないに等しい。

そして一番の問題は、「買いたいものがない」ということ。
もちろん物資・商品が不足しているのではない。
消費意欲を喚起する魅力ある製品が出ていないため。
もっと正確に言うと、安価をうたうベーシックな製品(低価格パソコン、100円ショップ、ユニクロ)に勝つ魅力的な付加価値がない。
なぜなら、消費者の価値観やライフスタイルが大きく変りつつあるのに、製品がそれに追いついていないから。
つまり需給の端境期(はざかいき)によるミスマッチ状態。

この私を例にとっても、収入はそれなりに安定しているのに、買いたいものがないから、消費に回らない。回せない。

私が18年目の車を買い替えないのは、今さら”ガソリン車”を買う気がしないから
順当なところで電気自動車だろうな(ということはハイブリッド車は中途半端)。
スーツを買わないのは、21世紀になって10年にならんとしているのに、今さら20世紀型の服を着たくないから(子ども時代に想像した21世紀の風景とは違う)。
テレビはニュースとスポーツだけは見ていた(他は観る価値なし)が、もう野球もサッカーも 格闘技もつまらない(その競技自体が魅力ないわけではないはず。レベルの低い試合を批判せず、仰々しく盛り上げようとするやり方がしらける)。
なので、アナログ放送停止が迫っても、ブラウン管テレビのまま(こいつも18年もの)。
画質がブラウン管よりいい液晶テレビってある?
どうせなら有機ELがいいかな。
ちなみにパソコンは地デジ対応(でも全然見ない…)。
それにブルーレイって中途半端で食指が動かない(高画質で録画したいテレビ番組もない)。
今の放送メディアそのものが、視聴者のニーズの変化についていけず時代遅れになりつつある。
テレビつけると、内輪だけで馬鹿騒ぎしてうるさいだけ。
スポンサーが減っているのは、企業側の業績悪化だけげ理由ではない。

それ以上に古色蒼然なのは新聞。
私が新聞を購読しないのは、膨大な紙資源(リサイクル・エネルギー)の無駄で、分別ゴミとして出すだけでも面倒だから。
世の出来事の報道だけならネットで充分(もちろん、ネットニュースの情報源は新聞社だけど)。
「社説」など今まで読んだ記憶がない(”新聞社の主張”には興味ないから)。
時事問題の解説ならそれぞれの適任者の話を聞く。
近所のスーパーの安売り情報と出版情報は価値あるので、これもネットで知らせてくれないかな。

以上の結果、ボロボロになった車をだましだまし動かし、服はアウター以外はユニクロレベルで誤魔化し、テレビは情報番組だけ(電気代節約)、新聞購読料の出費もない、結果的につつましい生活になってしまっている。

食料品は多少高くても、安全性を優先するし、おいしくて健康的ならさらに支出を惜しまない(たまに高級食材を大量に買って実家の家族で楽しむ)。
服(アウター)も質の良いレザーなら一生ものとして大切に使える(背中に横の継ぎ目がある安物は対象外)。
最近は和服にも出費している。
旅先の宿も、ちゃんとした温泉で、客室の居住性がよければ、年に何度も連泊する。

われわれは自分の生活を快適にして質を向上させ、幸福感を味わえるなら、よろこんで散財する。
逆に消費者をだまして無駄な出費をするように仕向けてもダメ。
今の消費者は、お買い得でも質の悪い物には手を出さないから。
そして、このように個別化されたニーズに適合した店舗って、不特定の”ネットショップ”だよね。