私の8月は研究活動の期間であって決して”休み”ではない、と弁解してきた。
なので世間の皆さんが数日間の”夏休み”を終えた8月下旬、
それまで遠慮していた私も、毎月の”温泉”に行くことに。
8月は出発地が東京になるので、東北方向へ遠出したい。
今まで、玉川温泉・乳頭温泉と有名な個性の強い温泉に行ってきた。
これらはいずれも秋田新幹線で行ったので、東北新幹線の分岐・盛岡は素通りだった。
今回は、その盛岡郊外、岩手山の麓に”休暇村岩手網張温泉”にした。
場所柄、岩手山登山や陸中海岸・浄土ヶ浜にも足を伸ばしたい誘惑に駆られるが、
たった2泊なので”温泉”以上のものを求めないことにした。
盛岡駅からは網張温泉行きの路線バスに乗る。
バスは小岩井農場を経由して、岩手山の西南麓を更に西に入り込み、
奥羽山脈(秋田との県境)に近づいた所が終点。
そこは標高780mの高原地帯で、三方は山だが、東南に開けており、
その方向に盛岡の街並みを見下ろし、その向うの早池峰山と向かい合う。
山上の一軒家的な休暇村岩手網張温泉(写真)は、休暇村なので、建物も従業員の応対も質素。
でも、他の休暇村と同じく、洋室が作られ、洗浄器つきトイレもあるので、
設備的には合格(へたな中古観光ホテルよりいい)。
さらに休暇村は、毎夕食後や朝方などちょっとしたイベントを開催して、
退屈凌ぎになる(お子様向けが多いが)。
ここはチェックアウトは11時と遅めなのもうれしい。
ちなみに私は今回、Qカードのポイントと共済の補助で合せて8000円も割引(この利点も休暇村ならでは)。
浴室は館内に二箇所ある(露天は一箇所のみ)。
どちらも東北の湯治場的な木造の高い天井。
ちょっと先の日帰り温泉施設(ビジターセンターも併設)、
さらに山側に入った滝の前に野趣満点の仙女の湯(混浴露天)も宿泊者は無料で入れる。
これらの湯は、いずれも硫黄臭に乳白色の”単純硫黄泉(硫化水素系)”の掛け流し。
臭いと湯の色がもっとも温泉らしい湯で昨年の乳頭温泉を思い出す。
ただ源泉が77℃なためか、いや硫黄泉などの酸性泉は、熱く感じるということもあり、最初はかなり熱い。
食事は、朝夕ともにバイキングが基本(料金プラスで会席もある)。
山菜や魚介類などは地元の素材が使われ、料理は日替わりで出るので、連泊しても飽きない。
付近のブナの原生林の中にはウォーキングコースがある。
そこに入りこみ、豪快なブナにつつまれた森を歩くだけで、
今、東北の山に来ているという実感がひしひし。
東北は、森は豪快だが山はあくまで”たおやか”(山名も~岳ではなく、~森)。
中部山岳のように落葉松の素直な純林の上に豪快な岩峰を聳えるさせる風景とは正反対。
このたおやかなる峰々に囲まれた宿で、温泉と料理と酒にひたっていればいいなら、最高に幸せ。
でも、明日は山に登ることにした(岩手山でない軽登山。もちろんその装備をしてきた)ので、
解放100%というわけにはいかない。
酒を控えめにして、早めに床につく。