今日1月7日は「人日(じんじつ)の節句」。
明治政府が1000年以上行われてきた伝統行事「五節句」※を廃止して以来、
人々の間から、それまで盆と正月の次に重視されていた節句の行事が衰亡の危機に瀕している。
※:人日(1/7)、上巳(3/3)、端午(5/5)、七夕(7/7)、重陽(9/9)の五つ
人日の節句と言えば「七草粥」を食べるのだが、
近所のスーパーを見回ってもその材料たる”七草”が売っておらず、
伝統でもなんでもない「恵方巻」とやらにご執心。
その中で、松坂屋ストアだけは、きちんとした七草セットが並べられていた。
これは賞讃に値する。
春の七草は次の和歌で覚えるとよい。
「セリ・ナズナ、ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ、スズナ・スズシロこれぞ七草」
これらが入った七草セットに、レトルトのお粥を買って、自宅で七草粥を作る。
レトルトのお粥は 85Kcalしかない。
先日の記事に示したように、私は正月に数キロ肥えてしまった。
そんな私にとって、正月松の内の最後に「七草粥」を迎えることで、
正月太りを解消できる仕組みになっていることは実にありがたい。
ただ七草粥だけだとタンパク質が足りないので、追加が必要。
卵を落として卵粥にするのが一番楽だが、
今回買ったのがカニ風味の粥だったので、カニカマをほぐして混ぜた。
この七草粥を食べる人日の節句は、発祥元の中国では五世紀の東晋時代に書かれた『荊楚歳時記』に載っている。
すなわち1500年以上の歴史があるのだ。
日本に伝わったからこそ、この伝統が守られたといえるのだが、
それが風前のトモシビであることも否定できない。
かくして、明治維新以前の伝統文化を守りたい私は、
恵方巻やハロウィンは無視して、五節句をアピールしていきたい。