まず、首都圏の千葉が、なんであんな広域に停電被害に遭い、しかも復旧に長引いているのか。
千葉県の地形がまずは問題だった。
同じ千葉でも、東京に隣接する北西部(関東平野部。旧国下総)は被害がなかった。
大きな被害にあったのは、房総半島部、すなち旧国でいう安房と上総。
こうなった一番の原因は、台風の進路にある。
台風が陸地ではなく東京湾を進んで、勢力が弱まらず、房総半島全域が危険半円となった
(「台風が東京湾を進んできたら危ない」といういい伝えが房総半島にあったという)。
そして日本の半島は、たいてい、山が海に沈んでる地形で、人が住んでいるのは海岸線に沿った狭い領域。
だから交通網も送電線もそれに沿って伸びている。
つまり、半島の大部分は山なのだ。
だから、半島先端などはすぐに陸の孤島となってしまう(同じことは紀伊半島、伊豆半島、三浦半島にさえいえる)。
日本の75%は山地で、残りの25%の場所に人口が集まらざるえないことを思い出してほしい
(日本最大の関東平野に人が集まるのは必然)。
平野部であれば、四方八方から近づけるのでインフラの復旧はもっとスムースだったはず。
そして、そもそもわれわれの防災意識は、「命を守る」ことに集中しており、それ以降については関心が薄い。
具体的には、被害想定にもとづく災害復興計画というものを策定していない(自治体はともかく、法人・家庭において)。
今回は、風害に対する被害想定の甘さがあった。
職場でいえば、被害にあってから業務を再開できるまでの事業継続計画が必要なのだが、
災害大国日本でこれができている所が欧米に比べて少ないという。
家庭でいえば、停電・断水(トイレを含む)の対策。
今回の千葉の被害を「他山の石」として、われわれ(国、自治体、職場、家庭)も以下の見直しをしよう。
●被害想定に、風害を入れること。
●その被害想定に基づいて、生命の保全で終らず、その後の生活の維持、日常活動の再開までの道のりを具体的に考えておくこと。