冬の室内の至適温度は20℃である。
この室温でも寒いなら、それは暖房ではなく、服が薄すぎるからだ。
20℃にもっていくには暖房を使う。
ただし、エアコンの設定温度ではなく、実際の室内温度で確認する。
たとえば、私の名古屋宅のエアコンの設定温度はたった17℃にしてある。
サーキュレーターを併用することで、居住空間が20℃に達するからだ
(もちろんエアコンの風向はほぼ真下にしてある)。
さらに、エアコンの風量※を最大にしてある。
※:当初「風速」と記したが、より一般的な「風量」に変更した。
これが省エネのミソであることが実測によって確認された。
風量だけを考えると、「最大」は「自動」や「最小」より動力エネルギーを要するはず。
ところが、実際の消費電力(三菱「霧ケ峰」の場合)は、
設定温度と室温は上の状態で、
風量が「自動」あるいは「最小」の場合は550W
風量が「中」の場合は480W
風量が「最大」の場合は450W(霧ケ峰は強さは3段階と自動)だった。
すなわち、エアコンの風量が大きいほど消費電力が小さい!
なぜなのか。
赤外線放射温度計で エアコンの吹出口の奥を測ってみた。
すると、風量が「自動・最小」の時は43℃、
風量が「最大」の時は39℃だった。
つまり温度設定をしてサーモスタットを働かせていると、発熱力と送風力の関係が逆相関になるようだ。
そして、室温を1℃上げるのに必要な消費電力は、発熱>送風となり、
高い発熱で弱い送風より、低い発熱で強い送風の方がエネルギー効率が優れていることになる。
以上まとめると、エアコンの風量を最大にしておくと、まずはスイッチを入れて素早い暖房効果が実現する。
そして設定温度を低くしても(=室内が20℃を保つ最低温度)、当然効果は維持できる※。
※部屋を早く暖めるために設定温度をバカみたいに高める行為は無駄でしかない。設定温度17℃でも、「暖房」であれば39℃の温風が出ているのだ。
さらに設定温度が低いので、エアコンのサーモスタットによって電力が0になる時間が増える。
無駄のない省エネが実現できるわけ。
室内温度計と消費電力計、それに放射温度計があれば、みなさんも自宅のエアコンのベストな設定値を探ることができる。
追記:2018年現在、サーキュレーターを使わず、エアコンの風向を下に向けているだけで、居住空間が22℃に達する。
つまりサーキュレーターも要らないことがわかった。
サーモスタットを効かせるために、風量は「自動」にしている。
それによって、部屋が暖まるとエアコンが自動的にオフになる。