今年も玉川温泉に行ってきた。
私は全国を巡るほどの温泉通ではないが、この玉川温泉はズバ抜けたパワーがあると確信している。
いわゆる怪しげな客観的根拠のないあちこちの自称・他称”パワースポット”とは違い、
ここは客観的にホンモノの自然界のパワーが3種もある。
まずは温泉の本質たる泉質。
下流の田沢湖の魚を絶滅させた毒性のある強酸泉(pH1.1)。
酸度では確かに草津あたりに追随されているが、湧出量では群を抜いている。
生物学的には「毒」としか考えられない強い酸(塩酸と硫酸)の液体に、神妙な面持ちで全身をあえて浸からせる人間は、いったい何を期待しているのだろう。
その数えきれない効能をここに披瀝する必要はない。
次には、源泉の奥にある硫化水素で死者を出す危険な噴気孔地帯での熱い岩盤。
ここの岩盤浴こそ、全国に広まった「岩盤浴」のルーツである。
しかも唯一の天然自然のホンモノの”岩盤”浴の地である(もともとこの地方のオンドルという暖房法が元らしい)。
ただ天然自然だからこそ、安全を管理できない部分がある。
黄色い噴気孔のあい間を縫って、熱い岩盤は、そのまま触れると火傷をする。
なので、まずゴザを敷き、その上にバスタオルを敷いて、さらに衣服を通して熱をやわらげる。
有毒ガスがたなびく中、火傷の危険を犯してまで、岩盤に横たわる人たち。
中には、あえて深呼吸をしている人もいる。
そういえば、硫化水素は微量なら心筋梗塞に効果があると最近報道された。
この岩盤地帯は、周囲が雪に埋もれる真冬でも岩盤浴ができて人気で、今年の冬、雪崩で死者を出した。
三つ目に、その手前にある、北投石地帯。
ここは温泉神社の鳥居と特別天然記念物北投石の碑がある以外は、噴気孔も熱い岩盤もなく、殺伐とした通過点にしか思えない。
だが、もしあなたがガイガーカウンターを手にしていたら、まったく異なった結論を下すことになる。
昨年来、福島原発の北東部で出た数値を見るからだ。
だが、ここは恐怖の地でなない。
常時マイクロ・シーベルトを越えるこの高い線量地帯(定義上は「低線量」)に、全国から多くの人がここを目指して、その放射線を浴びる(被曝する)ために、そこに横たわっているのだ。
最後の救いを求めに。
「玉川温泉はガンに効く」と言われているが、その表現は正確ではない。
玉川温泉自体は、「ガンに効く」とは微塵も謳っていない。
当然で、温泉は強酸泉であって、いわゆるガンに効果があると期待されるラジウム・ラドンの”放射能泉”ではない
(微量の放射線はかえって健康に良いという「ホルミシス効果」は、各地の放射能泉における民間療法を支持する論拠になっている)。
つまり、玉川温泉は、三朝(鳥取)や増富(山梨)、湯の島(岐阜)など名だたる放射能泉とは比較ができない。
ガンに効くとされるのは、玉川”温泉”ではなく、そして熱い岩盤地帯でもなく、その間の北投石の”冷たい”岩盤なのだ。
だから、ガンの克服を願って、玉川温泉と熱い岩盤浴とを幾度も往復しても、その途中の北投石帯を素通りしてはまったく意味がない。
以上のパワー群は、特殊な感性をもった人だけが感じるらしい、不確か(微弱)なものではない。
pHも地熱やガス成分も、そして放射線量も、身体そして客観的な計測器で万人が確認することができ、
そしてそれらの現実的な効力も確認できる確かなものである。
外力としてのパワーは、強すぎると、人間に破壊的に作用する。
だが、ある範囲内では、人間に適度のストレスを与え、人間の防御反応を活性化する。
すなわち人を強くする(筋トレも断食もこの原理)。
そのような作用は温熱というパワー(エネルギー)においてだけでなく、
強酸、放射線、最近では自殺にも使われる硫化水素ガスにさえ認められている。
以上の点で、源泉付近の岩盤を含めた”玉川温泉地帯”こそ、本邦最高のパワースポットであることを、私が認定する。
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