今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

エネルギー心理学への道

2020年08月20日 | 心理学

アインシュタインの有名な定式 E=MC^2
これは『般若心経』の有名な一節「色即是空、空即是色」を意味する。
量子論も般若心経もともに等号(=、即是)は双方向的だ。

すなわち、物質の質量(M:色)はエネルギー(E:空)であり(光速Cの2乗という係数を伴って)、
エネルギー(空)こそ物質(色)の究極の姿なのだ。

心理学でずっと引っかかっていた言葉がある。
「心的エネルギー」というやつ。
フロイトから使われていた。
フロイト自身、自分は科学者だと自認していたから、まさか学術用語に文学的比喩を使うはずがない。
そしてエネルギー保存の法則を知らぬはずがない。

ということは心的エネルギーは、他のエネルギーから変換されたものであり、また心的エネルギーは他のエネルギーに変換可能なはずである。
こうなると、「トランスパーソナル心理学」だけでは不充分で、「エネルギー医学」※も必要になる。

※全体像を把握するには、リチャード・ガーバー『バイブレーション・メディスン:いのちを癒す<エネルギー医学>の全体像』(日本教文社)がおすすめ

これを私の「心の多重過程モデル」に置き換えると、心的エネルギーの操作段階(自由に使いこなす)としてのシステム4が、身体エネルギーとの交換の現場(システム0)と相互乗り入れする。

※心の多重過程モデル:”心”を以下のサブシステムからなる高次システムとみなすモデル
システム0:覚醒・自律神経などのほとんど生理的な活動。生きている間は常時作動
システム1:条件づけなどによる直感(無意識)的反応。覚醒時に優先的に作動
システム2:思考・表象による意識活動。システム1で対処できない場合に作動
システム3:非日常的な超意識・メタ認知・瞑想(マインドフルネス)。作動負荷が高い
システム4:超個的(トランスパーソナル)レベル。霊的・宗教的体験。作動しない人が多い

心的エネルギーは、システム4で外界の物質・エネルギー系と交換し、システム0で身体の物質・エネルギー系と交換する。
これによって、「心」を構成するシステム0〜4の多重構造を統合的に捉えられる。
すなわち心⇄身体⇄外界という、心を含めたエネルギー循環システムへの視点が開かれる。
そこでは心的エネルギー=物理的エネルギーという等式が成立し、心的エネルギーは、エネルギーの1形態として計測の道が開かれる。

実はこの視点はすでに3000年前から存在している。
その意味で、人類にとって最も古い視点である。
「気」の理論だ。

中国医学では、基本概念である「気」を生命エネルギーとしているが、心身一元論にたっているため、心理現象も「気」の挙動で説明される(「気持ち」など日常語になっている)。
だがそもそもの気は、易の理論にあるように、身体外の宇宙エネルギーである(生命は宇宙エネルギーの負エントロピー現象)。
外気→内気の流れの理論が、であり、中国医学(鍼灸、漢方)である。
だが、内気→外気の流れも可能であることは気功が証明している(量子の”もつれ現象”も)。

なので私は、仏教よりも根源の位置に気の理論を置いている。
仏教では、「諸行無常、諸法無我」の認識に達して、その先がない。
仏教の基本態度が臨床心理的で、生きる苦の原因となっている”誤った信念”から解放する認知行動療法(悟りと修行)だから、人間の問題が解決するのが目的だ。
それに対して気の理論は、諸行がどう変化するのか、諸法あるいは色(空)がどう構成されるのかまで追究する。

その基本理論が仏教よりもさらに5百年前に成立した「易」(陰陽理論)だ。
太極が陰・陽に別れて宇宙(エネルギー)のダイナミズムが波動として始動する(ビッグバン)。
そして陰と陽はデジタル(2のn乗)的に多重化し、複雑な構成物(システム)を生成する。
仏教の「空」の哲理を、量子論以前に「気の陰陽理論」(宇宙エネルギー論)で説明するとわかりやすいかもしれない。


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