goo

いけない 道尾秀介

好きな作家の新刊。自殺の名所とされる場所で起こる3つの全く異なる殺人事件が事件関係者や事件を担当する警察の目線で記述される連作集。この小説の特異な点は、終章で3つの事件が繋がってほぼ全ての謎が明らかになるのだがそれが読者にしか見えないこと、各章の間に地図やイラストが挿入されていてそれが事件の真相の一端を暗示していることなどだろう。しかも、最後まで読み終えても何故だか全てが分かったような気分になれないという不思議な読後感。賛否両論あるかも知れないが、個人的にはこういうミステリーもありだなぁと妙に納得した一冊。(「いけない」 道尾秀介、文藝春秋)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )