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破壊せよと笑いは言った 中条省平

「現代マンガ選集」と銘打って、日本で独自の進化を遂げたマンガという文化を俯瞰するシリーズの一冊。本書には、戦後間もなくから雑誌ガロ全盛期あたりの当時としてはかなり実験的な作品だっただろうなと思わせる短編が収録されている。作者名には昔読んだマンガの有名どころがずらっと並んでいるが、子ども向けのマンガという印象しかない漫画家達がこんなアバンギャルドな作品を描いていたのかと驚いてしまう。但し、何となくわかるようなわからないような、作者の意気込みが空回りしている変な作品も多い気がする。特に印象に残ったのは、赤塚不二夫の作品。会話が全て古今東西の格言だけで構成されていて、しかもギャクマンガになっているという超絶技巧に驚かされた。(「破壊せよと笑いは言った」 中条省平監修、ちくま文庫)
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