goo

遺体 震災、津波の果てに 石井光太

東日本大震災から3日後に釜石市に入り、現地で何が起きているかを新聞や週刊誌に記事を送り続けた著者によるルポルタージュ。釜石市は、完全に津波によって崩壊した港に近い地区と大きな打撃を免れた地区が国道を境に明暗を分けた形になった。著者が最初に現地入りして目にしたのは、崩壊を免れた地区の人々が崩壊した地区から遺体安置所になった地区センターに運ばれてくる多くの遺体の検死や身元を明らかにするのに必要な情報の記録などにあたる姿だったという。本書では、市職員、町医者、歯医者、自衛隊員、警察官、消防団員などへのインタビューを元にして、遺体捜索、がれき処理、遺体安置所での活動など、テレビなどの映像では視聴者に配慮してあえて伏せられた悲惨な状況が文章で克明に語られる。直感的に物事を伝える映像とこうした文章の両方があってこその将来への教訓だと感じた。(「遺体 震災、津波の果てに」 石井光太、新潮文庫)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« マスカレード... 住宅営業マン... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。