ジェットコースターで高みに引き上げられる時の

2012-09-11 02:02:12 | その他旅行き
午後にテニスの予定がある日、東大阪の所用にテニ友に付き合ってもらい、その後昼食を摂る事にした。
テニ友が食べに行きたい所があると言うので、場所を聞くと生駒山の中腹にある店だという。
スマホで地図を見ると、第二阪奈道路のトンネルの横にある。
トンネルを抜けた後だと遠回りだ。
少し離れているが阪奈道路の南に、並行して国道が走っているのでそれで行けそう。
山の中だからワインディングロードのドライブが楽しめそうだ。
テニスまで時間もあるし、そこに行く事にした。

ナビを頼んで走って行くと、近鉄電車の線路横から住宅街の細い道を上って行く。
なんだかとても細い道。
ワインディングロードはまだかなーと走っていると、そのまま山道へと辺りの景色が変わってしまった。
離合不可能な細く急な坂道の横に小さな神社?お寺かな?があったりして、あれれ修験者が歩いていそう。
なにしろ道幅が車幅いっぱいの狭さ。
すぐ行き止まりに突き当たりそうな気配が充満。
道を間違えたのかと思ったが、スマホのナビは国道上に我々がいる事を示している。
その辺りで十分急坂だったのが、その内ますます斜度が増し、道はクネクネと曲がりだす。
確かにワインディングロードなんだけど、ギアは1速しか使えず。
なんなんだこの道は。

で、気が付いた。
これは劇坂で有名な、あのナントカ言う道ではないのか。
昔、自転車雑誌で読んだ事がある。
全国の険しくて有名な上り坂に挑戦、みたいな記事で大阪の急坂の代表?に選ばれていた。
確かこの辺だった気がする。
足をつかずに上り切る事が出来るか、なんて感じで書かれていた。

道端に案内標識が刺さっていて、くらがり峠という所に向かっているよう。
あー、そんな名前だった気がする。
国道だったのか。(308号だ)
こんなに狭いのに。
酷道というやつだな。
こんな坂、自転車では上れないよ。
持久力以前にそんな脚がない。
車でも大変なのに…。

舗装はされてるもののうねりがすごく、車の腹やバンパーを擦らないか気が気でなく、一瞬たりとも気が抜けず運転に集中。
止まったら再発進できるのだろうか。
変な汗がでた。
テニ友は異常なところに連れてきたと恐縮しきり。
いい経験になったさ、とひきつる顔で答え、進む。
幸いにして前から車が来ることなく、くらがり峠を越えた。

峠を越えると下り坂。
傾斜は上りと比べれば緩く、ようやく落ち着きを取り戻す。
これは車で来るとこじゃないな。
途中ハイカーが結構歩いていた。
舗装されているけど、ハイキング気分で歩く登山道よりよほどキツイ登り坂だ。
自転車で来ていた物好き… 、いやいや果敢な挑戦者は2人。
どちらも通り過ぎる時、両手で自転車を支え立ち止まっていた。
さもありなん。

緊張して運転していたので景色を楽しむ余裕はなかったが、後から思えばゆっくり歩いて登れば面白そうな道だった。
前述の麓のお寺も深山幽谷の雰囲気だったし、山中の田んぼにカカシ、意外と民家があって石垣というより石積みの庭囲いに趣があった。
くらがり峠(暗峠)には昔の石畳が残り、茶店がある。
時間があれば写真に撮りたい被写体がいっぱいだった。
もいちど歩きにこようか。

こんなところなのに、お目当てのお店は予約でいっぱい。
近くの別のお店に行って、入れるか聞いてみた。
駐車場は一杯だったのに、幸いにしてそこはキャパシティが大きく、昼食にありつくことが出来た。
屋外の木の下の影にあるテーブルでカレープレートのお昼。

辛口と甘口のカレーを混ぜ合わせて食べる。
ようやく一息。
目の前の道路は上ってきた道と同じく狭小なのに、人も車も結構行き来がある。
人気の場所のよう。
生駒の町が見降ろせる。
頭上でツクツクボウシが鳴いている。
これはいいなあ。


帰りはくらがり峠を再度通る気にならず、奈良県側に下る。
こちらは道幅もあり、難しくない。
ここは生駒から上って遊びに来るところらしい。
普通の国道の 168号を北上し、163号で四条畷に降り、中環に入る。
いやあ、思わぬ緊張と弛緩を味わったドライブとなりました。