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雨の登山道

2013-08-06 23:00:28 |  初・縦走
入山日は雨だった。
雨具を着込み、折立の登山口まで富山地方鉄道のバスで向かう。
バスを降りトイレを借りて、さて出発、と登山口に入って目を見張る。
前日夜からの雨で登山道は川となっていた。
茶色い濁流が途切れる事なく流れ下ってくる。
登山道は辺りで一番低い場所となるので、雨水が集まってくるのだろう。
登山靴の防水機能が試される事になった。
濁流と言っても浅いところを伝って行けば、靴の甲が沈むことはほとんどないが、急斜面で階段状になった箇所は滝の様に流れ落ちているので、足の置き場は限定され神経を使う。

林中でゴゼンタチバナのきれいな花を見つけた。
水色の雨を吸ったからか、花びらの透明な白さが際立っていた。
が、雨は降り続きカメラを取り出す気にはならず、ただひたすら歩くのみ。
汗が滴る。
ゴアテックスのカッパだが、ガスった湿度100%の大気中では透湿効果もほとんどなく、シャツはどんどん湿っていく。
いや、ビシャビシャである。

あれ、足の爪先が湿ってきたような…。
さすがのゴアテックスブーティーも根をあげたか、それとも靴底を張り替えているので、その際ゴアテックスに穴が開いてしまったのか。
なんにせよこの靴のインソールを湿らしたのは初めてだ。

高度が上がり、林を抜けると吹きっさらしの高原地帯を歩くようになる。
右からの風が濡れた身体から体温を奪っていく。
腹や胸などカッパの下に空間がある場所はまだマシだが、緩衝帯の無い右肩が異様に冷える。
衣服を濡らし風に吹かれるとこんなに冷たくなるものなのか。
まるでエアコンの吹き出し口に肩を押し付けている様。
喉が渇いて水を飲もうとザックを降ろし動きを止めると、身体全体が冷え始める。
これは長く休憩できない。
低体温症にどうしてなるのか理解した。

ガスが少し晴れれば、なだらかな高原が眼前に広がる。
ニッコウキスゲやコバイケイソウが点在し、ベンチが設置され、お天気良ければ気持ち良さそうな所。
だが、ひたすら歩くしかない。
ひたすら歩いていたら、あれれ、太郎平小屋に着いてしまった。
まだお昼前だ。
なのにチェックインさせてくれた。
そのときは気付かなかったが、下界ではありえない。
山小屋って普通ではないところだ。

と言う訳で写真なし。