この日は写真たっぷり

2013-08-17 00:04:44 |  初・縦走
スゴ乗越小屋から五色ヶ原へ向かう日は好天に恵まれた。
山中にいる間、晴れたのはこの日のみである。
二日間雨の中を歩いたので、前夜まで翌日の天気は期待していなかった。
が、朝焼けが見えるぞとの声に目を覚まし、カメラを手に外に出ると、おー、晴れてる。


<朝焼け>


朝食を食べ、出発。
カッパはザックの中。
シャツ一枚で歩く気持ちよさ。
うわ、焼けそうな日差し。
眺めはスッキリ。
右手に黒部川を挟んで隣の峰の稜線が間近。
こんな場所を歩いていたのね。

<これは左手の景色>


スゴ乗越の残雪の上を越え、スゴの頭への急坂を上る。
この後の越中沢岳の上りが今回の縦走コースで一番の急坂で、事前調査時に要注意のポイントとしてチェックした場所の一つだったが、このスゴの頭までの上りもしんどい。
岩にへばりついて登る。

<これは道である>


急登にプラスして嫌な要素が加わった。
薬師岳では茶色かった足元が、花崗岩の白黒に変わったのだ。
花崗岩は岩である内は滑りにくく歩き易いが、風化して崩れると丸い粒の砂礫になるので、ズルズル滑り嫌いな岩質なのである。
滑らないよう脚に変な力が入り疲れる。
縦走路はスゴの頭のピークは通らず、ピーク下の広場が最高点。
そこで小休止。

<登山道に影を伸ばしてみた>


振り返ると薬師岳が大きい。
昨日はあそこを歩いていたのか。
事前に見えなくて良かったかも。
今日歩いてきた道が一望できる。
上の写真の上端中央少し左にある赤い点がスゴ乗越小屋。
そこから右下へ下り、写真中央右の白い残雪のあるところがスゴ乗越。
そこからこの足元までの上り。
昨日の行程も含め、こうして見ると感慨深い。

<越中沢岳への上り>


スゴの頭からいくらか下り、その後いよいよ越中沢岳へ取り付く。
ここも変わらず花崗岩の山。
ザレた急斜面が立ちはだかる。
足元は登山靴で踏みしめる度ズルリと滑り全く安定しない。
上を見ると増々斜度が増し、あんなとこ登れるの?
と、ここで気が付いた。
道しるべの◯印はどこだ?
行く先に無いという事は登山道でないという事だ。
少し戻ると案の定左手に◯印があった。
危ない危ない。
あのままもう少し上っていたら、降りるに降りられず、無理して滑落なんて事になりかねなかった。

<スゴの頭と薬師岳>


また後ろを振り返る。
上の写真のでかい花崗岩は一つ前の写真の突き出た岩。
左上の緑の山がスゴの頭。
その右肩の茶色い部分が小休止した広場。
右上の雪を抱いた山が薬師岳。
これが縦走というものかぁ 、と実感した景色だった。

<越中沢岳山頂>


ようやく越中沢岳山頂に到着。
いやいや、お疲れお疲れ。
難所は越えたのでこれで一安心。
お腹も空いたし、ここで大休止。
お昼にした。

<山頂でくつろぐ>


天候の悪い時は山頂でゆっくりする気にはならないが、お天気良い日に山頂で食べるお弁当に勝る食事はそうはない。
食後は山座同定。
背後は薬師岳に雲ノ平、笠ヶ岳、水晶岳、右手には烏帽子岳、針ノ木岳、左手には弥陀ヶ原、そして行くてには五色ヶ原、立山、剱岳。
絶景かな絶景かな。

<行くて>


そうしてゆっくりしていたら、徐々に雲が出てきた。
薬師岳の上空にはレンズ雲がかかり、立山の手前に雲が流れ、弥陀ヶ原の上にぶ厚い雲が浮かぶ。
スッキリとした眺めもここまでかな。
出発する。

<ヨツバシオガマかな>


越中沢岳の北側の斜面はなだらかで、なんの憂いもなくポクポクと歩く。
その日最後のピークである鳶山を上る頃には稜線を越えてガスが流れてくるようになった。
心地よかった風も冷たく感ぜられるように。
自然と足が速くなる。

<鳶山山頂から五色ヶ原>


鳶山から後は下るだけ。
五色ヶ原は湿原全体にお花畑が拡がっているのかと思ったが、花が多かったのは鳶山から下る途中だけで、湿原に下りきってしまうと突然花がなくなった。
生えてはいるが、時期が遅かったよう。
すっかりガスに巻かれ、五色ヶ原山荘に到着。

<五色ヶ原上部のお花畑>