「なかぶさ」温泉と読む

2017-07-18 22:33:52 |  常念山脈縦走
山行き一日目の続き。
大阪を出る時は小雨がぱらついていたが、東に向かうと回復、曇り空の下晴れ間も見えるお天気となった。
今回の登山口は中房温泉。
穂高駅から中房温泉までバスで行く。
しかし接続悪く、次の便はほぼ一時間後。
待ち時間で駅から近い穂高神社に詣ることにした。



行ってみると比較的新しい建物。
それでも入口の鳥居は古い色合いだったから、社殿は建て直したのだろうか。
日本アルプスの総鎮守だそうだ。
登山の無事をお見守りいただけるようご挨拶した。
神楽殿には風鈴がたくさん吊られ、涼しげな音を奏でていた。



駅前に戻ると中房温泉行きの中型バスが待っていた。
10名に満たない乗客を乗せ出発したバスは安曇野の見たことある雰囲気の道を横切り山へと入っていく。
中房温泉は日本秘湯を守る会に名を連ねる温泉で、本当に山深いところにある。
バスだとすれ違い困難な細い林道を40分も行った先にある。
前から普通乗用車が何台もやってくるからおどろいた。
その度、徐行/停車/離合で運転手さんは大変だ。
でも今日は日曜日。
日帰り、あるいは土日で燕岳を登った登山者が車で降りて来ても全然おかしくない。



泊まるのは中房温泉手前の有明荘。
バスの乗客のほとんどがここで降りた。
建物の前にはベンチが並んでいて、サツキだろうか、赤白の花が咲いて、登山後一服するのに良さげな所だ。
すぐそばを沢が流れていて沢音が高い。
立ち寄り湯もやっているようで、我々チェックインするものと温泉に入るものの受付が同時に進む。
チェックイン後、夕食まで時間があるので林道を登山口まで歩いてみることにした。



ゆっくり歩いて15分程であろうか。
舗装道路ではあるがすっかり山中である。
林が開けると駐車場があった。
温泉の日帰り入浴施設や公衆トイレがあり、その横から登山道は始まっていた。
下山した登山者や温泉目的で来たらしい二人連れがベンチで憩っていた。
私は写真を撮って憩う。



宿の温泉には食後に入った。
浴室の天井は高く、浴槽は木造りで掛け流し。
他に誰もおらず、広い湯船を独り占め。
浴槽の淵の平かな木肌の上を薄く溢れていくお湯が贅沢だ。



泉質はアルカリ性単純硫黄泉で柔らかな肌触り。
pHは8.9。
源泉の温度は74℃もあるので加水して温度を下げているそう。
シャワーを浴びるとほんのり硫化水素臭がした。
シャワーのお湯も温泉を使っているのだろうか。



露天風呂がさらに広い。
夜で暗くて周囲の様子は分からなかったが、風呂の中央に5mくらいの丸太を縦半分に割った導湯管があり、奥の照明を逆光にして見ると、お湯がしたたり湯気がたなびく様がよい。
温泉にこうやってゆったり入ったのってずいぶん無い気がする。
温泉に行ってもただ汗を流すためだけにささっと入ってたような。
この後お風呂はしばらく入れない。
よく味わっておいた。