今年初めての山行きは6月になった。
あれあれとっても期間の開いたこと。
登ったのは奈良県は台高山脈前衛の白鬚岳。
どこか山に行こうと思い立ったのは先週になってからで、直前まで行先を決められず。
というのも引越しで関西の山のガイドブックが何処かのダンボール箱に入ったままで、探す時間がとれなかった。
仕方なく本棚に入ってた地図から近場で登ったことのない山を選んだ。
ガイドブックに記載されているような山の特徴、例えば花が多いとか、眺望に恵まれるとかいった情報は少なく、ただただ足慣らしのため適当な登山時間のとこはないかと見つけた山だ。
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登山日前夜、山に向かう途中の道の駅に車中泊し、早朝から登り始めた。
登山口は東谷出合。
紀伊山地の山はほとんどが植林で覆われ、尾根にのみ広葉樹が残るイメージがある。
ここも植林帯の上りから始まった。
それでも林床の下生えは多く、長く放置されている感じだ。
咲く花は少ないものの、幾つか目に止まる花があり、写真を撮りつつ進む。
最初傾斜は緩やかだったが、神ノ谷分岐にかけて急坂となり、息を弾ませ上る。
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尾根に着くともう脚の筋力がなくなりかけていた。
まだ半分しか来ていないのに、こりゃいかんな。
最近筋肉にあまり負荷をかけてなかったからなあ。
自転車にも乗っていないし、歳をとったから筋力の衰えも激しいのだろう。
しかもバランス感覚も鈍り、狭い足場で脚を開いて立てないと体がふらつく。
こんなでアルプス縦走なんてできるのかしらん。
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尾根に出ると植生が変わった。
ブナとヒメシャラの木々らしい。
所々で林がきれると横に並び連なる峰が覗ける。
斜面一面が杉だか檜だかの針葉樹で覆われた眺めだ。
所々にある広葉樹も緑が濃くなって針葉樹に混ざり目立たない。
緑のじゅうたんを立てたみたいだ。
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尾根の途中の小白鬚までは上りばかり。
小白鬚で荷物を降ろして汗を拭き、少し腹ごしらえ。
いつからか行動食はカントリーマアムである。
いつもなら2、3枚食べてまた歩き出すのだが、すぐまたお腹が空くので5枚食べてみた。
ら、少し多かったよう。
この後山頂に着いてもすぐお昼を食べたいという気にならず。
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小白鬚から山頂までは下ったり上ったりを5回繰り返さねばならない。
結構下る。
うーんまた上るのか、って5回ため息をついた。
4つ目のピークから山頂が見えた。
まだ結構距離があるなと目測し最後の下り上りを頑張ると、思ったより早く山頂の石碑が見えた。
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ところでここまで他の登山者に一人も会っていない。
こんなにいいお天気の週末なのに。
ずいぶんと人気薄な山だったようだ。
確かに咲いてる花は少なく、眺望も360°遮るものなし、なんて山ではない。
花の時期は別にあるのかな?
誰もいないのをいいことに、山頂の小さな広場に一人なのにレジャーシートを広げて昼寝したった。
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30分ほどして起き出し、お昼にした。
オニギリを喰む。
小さなアブとハエの羽音だけが聞こえる。
青かった空には薄雲が広がっていた。
アリンコがズボンを上ってくる。
汗で濡れたシャツが冷たい。
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1時間くらいいたがその後も誰もやってこなかった。
下山することにした。
このまま誰にも会わなかったら、初めての経験になるかもしれない。
と下っていたら、下から二人連れの老夫妻が上って来られた。
その日初めて言葉を発した。
下りはさくさく、撮影に脚を止めることもなく降りてしまった。
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あれあれとっても期間の開いたこと。
登ったのは奈良県は台高山脈前衛の白鬚岳。
どこか山に行こうと思い立ったのは先週になってからで、直前まで行先を決められず。
というのも引越しで関西の山のガイドブックが何処かのダンボール箱に入ったままで、探す時間がとれなかった。
仕方なく本棚に入ってた地図から近場で登ったことのない山を選んだ。
ガイドブックに記載されているような山の特徴、例えば花が多いとか、眺望に恵まれるとかいった情報は少なく、ただただ足慣らしのため適当な登山時間のとこはないかと見つけた山だ。
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登山日前夜、山に向かう途中の道の駅に車中泊し、早朝から登り始めた。
登山口は東谷出合。
紀伊山地の山はほとんどが植林で覆われ、尾根にのみ広葉樹が残るイメージがある。
ここも植林帯の上りから始まった。
それでも林床の下生えは多く、長く放置されている感じだ。
咲く花は少ないものの、幾つか目に止まる花があり、写真を撮りつつ進む。
最初傾斜は緩やかだったが、神ノ谷分岐にかけて急坂となり、息を弾ませ上る。
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尾根に着くともう脚の筋力がなくなりかけていた。
まだ半分しか来ていないのに、こりゃいかんな。
最近筋肉にあまり負荷をかけてなかったからなあ。
自転車にも乗っていないし、歳をとったから筋力の衰えも激しいのだろう。
しかもバランス感覚も鈍り、狭い足場で脚を開いて立てないと体がふらつく。
こんなでアルプス縦走なんてできるのかしらん。
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尾根に出ると植生が変わった。
ブナとヒメシャラの木々らしい。
所々で林がきれると横に並び連なる峰が覗ける。
斜面一面が杉だか檜だかの針葉樹で覆われた眺めだ。
所々にある広葉樹も緑が濃くなって針葉樹に混ざり目立たない。
緑のじゅうたんを立てたみたいだ。
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尾根の途中の小白鬚までは上りばかり。
小白鬚で荷物を降ろして汗を拭き、少し腹ごしらえ。
いつからか行動食はカントリーマアムである。
いつもなら2、3枚食べてまた歩き出すのだが、すぐまたお腹が空くので5枚食べてみた。
ら、少し多かったよう。
この後山頂に着いてもすぐお昼を食べたいという気にならず。
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小白鬚から山頂までは下ったり上ったりを5回繰り返さねばならない。
結構下る。
うーんまた上るのか、って5回ため息をついた。
4つ目のピークから山頂が見えた。
まだ結構距離があるなと目測し最後の下り上りを頑張ると、思ったより早く山頂の石碑が見えた。
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ところでここまで他の登山者に一人も会っていない。
こんなにいいお天気の週末なのに。
ずいぶんと人気薄な山だったようだ。
確かに咲いてる花は少なく、眺望も360°遮るものなし、なんて山ではない。
花の時期は別にあるのかな?
誰もいないのをいいことに、山頂の小さな広場に一人なのにレジャーシートを広げて昼寝したった。
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30分ほどして起き出し、お昼にした。
オニギリを喰む。
小さなアブとハエの羽音だけが聞こえる。
青かった空には薄雲が広がっていた。
アリンコがズボンを上ってくる。
汗で濡れたシャツが冷たい。
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1時間くらいいたがその後も誰もやってこなかった。
下山することにした。
このまま誰にも会わなかったら、初めての経験になるかもしれない。
と下っていたら、下から二人連れの老夫妻が上って来られた。
その日初めて言葉を発した。
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下りはさくさく、撮影に脚を止めることもなく降りてしまった。
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