燗酒の苦味雑味

2015-03-26 23:11:43 | お酒
先週の暖かかったある晩、ちょいと良い純米酒をぬる目の燗で飲んでみようと電子レンジで温めたら、真冬の感覚で時間設定してしまい、温め過ぎてしまった。
上燗くらいになっただろうか。
仕方なく飲んだら、これがまたまずい酒になってしまっていた。
苦味というか雑味というか、舌の奥の方にベッタリと刺激的な後味が盛大に残る。
ありゃあ勿体無いことをした。
冷やして飲むとそれはそれはやはらかな口当たりの美味しいお酒だったのに。
やはり銘柄によって旨く飲める温度帯があるのだな。

とその時は認識を新たにして終わったのだが、翌日いつも熱燗にしている安いパック酒をこれまでと同じように熱燗にして飲んだら、前日の純米酒と同じ苦味雑味が感じられた。
このパック酒は熱燗にしても美味しく飲めていたのに。
なんでだ?
これまでもその苦味雑味は含まれていたけど、弱くて気にならなかった?感じなかった?のが、純米酒の失敗燗でその味を知り、味覚の前面に出て来たのだろうか。

さらに、帰省した時にも実家にあった別銘柄の酒を燗して飲んだが、同じように苦味雑味を感じた。
困ったなあ。
どの酒でも燗すれば出てくる味覚成分だとすると、もう熱燗を美味しく飲めなくなってしまったのか。
仕方なく2本目は冷やで飲んだ。
が、ふと思い付き、試しにこれまでやったことのないほんの少しだけ温めた(日向燗?)で飲んでみた。
問題の味は感じられなかったので、温めても温度が低いと大丈夫なようだ。
さらにもう一つ気付いた事が。

冷やで飲むと上品な果物を思わす甘味とまろやかさが口腔に拡がるが、ほんの少し温めるだけでこれが抑えられ、エッジが立って締まった味わいになったのだ。
さらにもう少し温めて(人肌燗?)みると、さらに締まってキレのあるものに。
そのキレの裏に例の苦味がわずかに見え隠れする。
燗すると苦味が増すか甘みが減るかして、ある温度を超えると主体となる味覚成分が入れ替わるのだろう。
その温度が酒の銘柄によって違うのだ。
冬場はアチアチの熱燗が嬉しいので、そんな温度でも苦味のでない酒を探してみよう。

月曜火曜と休肝日だったので帰省から戻って試せていなかったが、水曜の晩に再度家のパック酒をぬる燗くらいにして恐る恐る飲んでみた。
すると先週感じた苦味雑味は気になるほどではなく、美味しく飲めた。
ホッとした。
今晩は上燗にして飲んでみた。
昔の味わいに戻っていた。
確かにそれらしき苦味はあるが、雑味と言うほどでは無い。
体調や食べ合わせのせいだったのだろうか。





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