米国タイム誌の、6月11日付けの特集記事は、the drone age (ドローンの時代)である。特集を組んだ理由は、昨年9月プエルトリコを襲ったハリケーン、マリヤが、島の電気配線網や流通システムを破壊し、米国本土に住む、プエルトリコの人々5百万人が島との連絡を絶たれた。そして、その復旧に、ドローンが大活躍した。ここで、改めて、ドローンというものをあらゆる面から見ていこうということのようだ。
記事の概略は、
① 全世界で、2017年は3百万台が販売され、米国は百万台以上が登録され、少なくとも12万人がプロとして操縦している。様々な種類、そして用途で使われるが、安全性と利便性のバランスをとりながら整理統合の動きもある。好き嫌いにかかわらずこの上空はドローンであふれることになりそう。
② 新たな脅威として、武器としての使用の問題がある。武器の運搬、またそれ自体が武器となる。また小さなドローンを大型ジェット機のエンジンが吸い込み大事故にもなりえる。あるドローン研究レポートによると、33か国155社の、230もの製品が悪役ドローンになりそうだ。
③ 2016年12月21日、アフリカのルワンダ。医療施設の不足している地域の2歳の子供が、ドローンが運ぶ輸血血液で間一髪命が助かった。これがドローン運搬による最初の救命事例となった。以降、ドローンを使った医療体制整備が進められる。
④ ミケランジェロは、モナ・リザを描きながら、空を飛ぶ方法を考えた。空を飛びたいというのは、物理の研究よりは、空から世界を眺めたいという欲望から。現在では映像、映画製作でドローンが使われている、
以上が概要ですが、当然のことのように理解しやすいものだと思う。
僕は、④の内容に興味を持つ。というのは、子供のころから空を飛ぶ夢を見るのが至福の時だったから。「夢」というのは、眠っていて見る夢のことですが。
ところで、人間は飛行機により空を飛ぶ夢を実現しましたが、眠っている時に見る夢のように自由に空から下を眺めることは、ドローンでようやく実現出来きたのだと思う。狭いところ、垂直の側面を、鳥や、蜂(ドローン)のようにホバリングしながら、舐めるよう見ること。ゾクゾクするのは、飛ぶことそのものではなく、空から眺めることなのですね。僕自身がドローンを操縦することはないのですが、いろいろな機会で様々な映像に出会える楽しみな時代になりました。
絵は以前見た夢の中での空からの眺め。ジブリのアニメに出てきそうな絵。
2018年6月9日 岩下賢治