菖蒲
一日、お誘いを受け、あの寅さんで有名な柴又の帝釈天を参詣してきました。
寺社というのは普通、高台や山林に囲まれた幽閉な地に建立されるのが普通だが、帝釈天は浅草寺と同じで、普通に街中に、しかも江戸川の流域に建てられている。宗派は日蓮宗。日蓮だからお経は何妙法蓮華経のはずだが、お坊さんは何か別なお唱えをしていた。日蓮の中の法華経とか、別の流れかもしれない。でも私は宗教に関係ないので気にはならない。
びっくりしたのは彫刻。有料の彫刻ギャラリーを巡ってみると、伽藍の東・北・西の全面に法華経説話由来の見事な像が彫られている。建物の裏側だから普通ならば目に付きにくい場所である。そんなところによくもまあ、、、といった具合である。でもこの彫刻、あまり話題にならない。また文化財として云々されることもない。なぜなのだろう。
芸術的に見ると、出来があまり良くないのかもしれない。でも素人目には、大きな欄間のようで、硬い欅の一枚板に人物や動物、植物が彫り込まれていて見事である。一部埃をかぶっているのが、ご愛嬌でもあるが。
また、後から建てられたという二天門が通常の仁王門の役割を担っていて立派である。ところが参詣者の多くがこの門を素通りしていく。手かざしすると門内に奥の方に仁王様が鎮座しているというのに。
参詣者は多いのだが、このお寺さん、なんだか寅さんに乗っ取られたようにも思ったものである。【彬】