12月に国政選挙です。
保守だか、革新だか、改革だか、なんにせよ、世の中の動きが前のめりになって、危うい感じがします。あまり踏み込みたくない分野ですが、小生の思う最低限のことを書いておきます。
政治ということで、私が知識として、体験として学んだことは、次の3つです。
①政治は経済活動に多大な影響を与えるということ。
当たり前かもしれません。でも、経済活動の自律性を前提にしないかぎり経済学は成立しません。古典経済学の時代は、それで済んでいましたが、経済と政治の関係をダイナミックに連動させ、思想としてはっきり体系立てたのはマルクスです。金融が金本位制から離れ、技術が高度に進んだ現代では、政治と経済はそれこそ一体です。身近なことでは、池田勇人内閣の「所得倍増」、田中角栄内閣の「日本列島改造インフレ論」、中曽根康弘内閣の「公共投資バブル景気」、小泉純一郎内閣の「郵政民営化と規制緩和」などを思い出すだけで十分でしょう。
選挙は政権党を選ぶわけですから、経済の動向を見極められる政治家を選ぶこと、これが第一の選択肢になります。でも、現在の情況で、誰が、どの政党が経済情況(デフレとか、TTPとか、言いますが)の本質を理解しているのか、まったく判断がつきません。資本主義が高度になり、なにをどうしたら景気が上向くのか、わからないというのが正直なところだと思います。
大情況は無理でも、私が気にかかるのは、若い人の生活が安定すること、だと思います。若者の失業をなくすこと、そして相応の給与を支給することが最大の問題だと思います。自分の若い時もそうでしたが、若い時に経済的に惨めなのは最悪です。
②政治は利害の調整機関であること。
森鴎外の歴史小説、たとえば「阿部一族」などによく表現されているように、政治は昔も今も利害の調整機関です。古くは土地の区画争い、近くは資本家と労働者の利害関係など、です。最近「決められない政治」などと言いますが、この利害関係の調整機能が働かないのです。というのも、何と何が利害関係で対立しているのか、錯綜して不分明になっているからです。観念的な対立ではなく、具体的に問題を提起してほしいと思います。例えば原発です。文明の支えである電力は、安価で十分に確保できること、これが根本です。ほかに、対立軸はありません。私は高価な再生なんとかより原発エネルギーを選択します。
③政治権限はできるだけ縮小した方がよいということ。
国家の権力は、使う気なら軍隊を含め圧倒的な力を発揮します。ほうっておけば、どんどん強くなっていって、私たち国民の上にのしかかります。そうすると、寄らば大樹の木で、権力の傘の下におさまろうという動きが強まります。政治や行政にすがるのではなく、できるだけ自分たち自身で自前に生活できるようにすることのほうが、まともです。
小生の尊敬する吉本隆明さんは、政治の最終的なゴールはゴミの収集=町会のゴミ当番のようなものだといっています。
それで思い出すのですが、高校生活などでやむを得ずクラス委員になってくれる人がいます。学校=教師側との連絡係なようなもので、たいした役目ではないのですが、この役割をする人がいないと、授業の準備などで支障がおきます。こういう人にはほんとうに感謝ですが、その一方で、つまらぬ目標を掲げ生徒会の会長などに進んで立候補する人がいます。いわゆる政治家の卵みたいな人=意識なのでしょうね。こういう人が、社会をだいなしにしているように思うのです、、、。【彬】