最近、歴史の本を2つ読んだ。
①「世界史」;カナダのウィリアム・H・マクニール博士著、1967年刊行、版を重ね世界中でよく読まれている。
②「アメリカ史」;山川出版の、各国史の中の一冊。
今の、アメリカ、EU、など先進国で保護主義の動き、その背景にある、経済、所得格差、移民、等・・・を歴史の中で考えたいというのが理由である。
① の「世界史」は事象の列挙と説明だけではなく、ある主張をもって書かれている、つまり、古代以降、文明の水準に達した文化圏が、周辺社会を攪乱し、そして、それを受けた社会はそれに適応していった・・・中東、インド、ギリシア、中国等々・・・そして、16世紀から今日までは、西ヨーロッパの力が、地球規模で広がり、アメリカ大陸もヨーロッパ文化の許に入っていった。
② の「アメリカ史」はアメリカ合衆国の歴史事実を詳細に説明している。
この二つの本を読んで総括し、思うことは
1. 国、地域などが、保護主義的な行動をとるのは歴史の節々に見られる。
2. 自らが経済的に豊かで安定なくしては、他者への寛容の精神はうまれない。
3. 極端な経済格差は争いにつながる。
4. ある文化圏が生じ、衰退していく、そして、新しい文化圏がうまれる。歴史は繰り返しの波のように見える。また、ある一つの状態に収斂していくようにも思える。解らないことだ。
さて、
長い歴史を読みながら、目に浮かぶのは、様々な波のその時代を生きている人間個人の姿だ。貴くも卑しくも、豊かでも貧しくも、そしてさまざまな肌の色の人が、自を生きている。人としてのプライドを傷つけるようなこと、また、著しい所得格差は是正しなければならない。
絵は、エジプトのピラミッド
2017年3月27日 岩下賢治