藪茗荷
台風10号が発達をしながら、列島を縦断するとの予報が出て、政府をはじめ各所で警戒が呼びかけれれている。
この台風、気象庁および米軍の進路予報では次のようになっている。
●気象庁28日=今後発達しながら北北西にゆっくり進み、28日午後9時時点では屋久島の西北西約70キロに位置する見込み。中心気圧は925ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルと予想される。29日午前9時には鹿児島県枕崎市の西北西約70キロに進み、30日午前9時には勢力を弱めて熊本県熊本市付近まで進むとみられる。同時刻時点の中心気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートルと予想される。その後さらに勢力を弱め、ゆっくり北東寄りにカーブする見込みで、31日午前9時には四国、9月1日午前9時には本州へ進むとみられる。
●米軍合同台風警報センター(JTWC)=気象庁と同様に今後、北西に進み続け、8月29日ごろからは北東寄りに進路を変えるとみているようだ。29日から30日ごろに暴風域を伴って九州に上陸、同日から9月1日ごろにかけ四国、さらに本州を縦断するとの見方を示している。
●ウェザーニュースによると、台風を移動させる風が弱いため、奄美地方では今日も暴風域内で非常に強い風が吹き荒れ、停電の復旧にも時間がかかるおそれがあります。雨や風が強く窓が開けられない状況で室内では蒸し暑くなりますので、熱中症にもご注意ください。
台風が発達するというのは、中心付近で激しい上昇気流が発生しているということ。その低気圧に向かって周囲の高気圧からどんどん気流が流入し、風を起こす。そんな台風の周りに、台風を移動させる風が弱いという、ウェザーニュースの解説はどういうことなのか。また、気象庁にしろ米軍にしろ、台風が停滞している理由を全然説明していない。これはどういうことなのか。専門家なのだから、キチンを説明してほしい。予想進路はデータ解析しての結果だというが、ざっくりでいいからどんなデータをどんなふうに解析しているのか。
私の体験でいうと、この10号は典型的な夏台風だということ。南海上をうろうろと徘徊する。西に向かっていた台風が急に東に向きを変え、関東に上陸したこともある。なぜ夏台風が徘徊するのかといえば、高い海水温が全国的に広がっていて、台風の上昇気流を促しているから。海水温が暖流、寒流と通常通りなら、台風は暖流に乗って北上する。暖かい海水温からの上昇気流を受け止めるからである。
ところが今日、海流が乱れて暖流がシナ海から北海道沖まで広がっている。つまり大風の行き場がないのである。海水温の動向を見れば、今回の台風は黄海から朝鮮半島の方に向かうのではないか、と素人観測してみたくなる。鹿児島付近で東寄りに向きを変える要素はないのではないか。
現在、静岡付近で大雨が降っているが台風に向かって駿河湾あたりの気流が台風に引き寄せられているからであろう。海水温と海流に注目すべきである。【彬】