先日、茨城県の古河市のマラソン大会のフルマラソンに備え、足慣らしのために常陸大宮市を通る国道118号線沿いの練習コースを走っていた。途中、国道横の以前は畑であったところで、古代住居遺跡の発掘調査が行われていた。近くには久慈川が流れ漁業もでき、生活には適した場所だったのであろう。眺めていると当時の生活の様子が眼に浮かんできた。
さらにランニングを続けていると、クラシックカーが次々と追い抜いていく。車体にはナンバーがつけられている。ラリーが行われているのだ。クラシックカーが好きなのでしばし脚を止めて眺めていると、その内の1台が調子悪いらしく、何度も停発車を繰り返している。私はそれを追い抜き進む。1969年の国産スポーツカーだが、当時は風を切って時代の先端を走っていたのだろう。だが、私を抜いていくことはなかった。おそらくリタイヤしたのであろう。
若い頃からランニングを続ける私は、さすがにフルマラソンはキツい年齢になってきた。走りに苦労するスポーツカーに同情の念が涌き、元気を取り戻し私を追い抜いていくことを願っていた。私のほうは後半、脚に痛みとシビレがでてきたが、それを散らし歩きを入れながらも予定のコースを走り終えた。
私は歴史や古いものが好きで、本や映像をよくみる。その古い時代の背景、人々の暮らしを色々想像しその中に「歴史のロマン」を感じる。この日は古代住居跡とクラシックカーに出会ったな。
自分のフルマラソン・サブスリー時代を「歴史ロマン」として回想することはある。でもゆっくりだが、走れる「今」を大事にしたいとも思うのである。だが、身体は想像以上に疲れ、脚はかなり痛い。ほどほどがいい。
絵はリタイヤした1969年マツダコスモスポーツ 2月18日 岩下賢治