絵=スケルトン状態のフーの実
毎日新聞2月24日朝刊によると、国連安保理事会での公開討論で中国の王毅外相は「今年は反ファシズム戦争の勝利と国連創設から70周年と位置づけ、戦勝国を中心とした戦後の国際秩序の維持を改めて主張。中国は反ファシズムの戦いで重要な役割を果たし、歴史的な貢献をしたとする一方、多大な犠牲を出したと強調。国連憲章の重要性を指摘し、第二次大戦の結果を踏まえ現在の国際関係を支配している基本原則ができあがったと主張した。」として「その上で、こうした点を認めることをちゅうちょする国があると指摘した。」と書いている。
つまり中国の考え方の根本にあるのは、WWⅡでの戦勝国意識ということであり、彼らのいわゆる「歴史認識」というのは、戦勝国の立場での認識だということだ。だから、日本は敗戦国であるので、戦勝国の利権や意向を汲むべきだということが暗に表現されている。
日本は戦後、敗戦国として憲法を始め戦勝国の意向に添ってきた。しかし、その場合の立場は世界の恒久平和という人類の理想を求めるものとして方向である。だから敗戦は戦勝国に単にひれ伏すというものではなかった。
王毅外相の発言だと戦後世界は反ファシズムだという。ほんとかいな、と思う。そして、中国共産党がWWⅡの戦勝国だというのも眉唾だ。日本が戦ったのは、蒋介石の中国であり、南京は蒋介石政権の牙城だったのである。また、ファシズムと一国社会主義は歴史の裏表であることが、2~30年も前から明らかにされている。ソ連が崩壊したのもそのためだ。王毅外相の言っていることは、歴史的事実に反するし、現状認識においても誤っている。
私は、いろいろな機会に中国の主調は戦勝国の利権を主張するものであって、ロシアが北方を占有するのと同じだと言ってきた。それが今回の王毅外相の発言ではっきりとした。これが中国支配層の本音なのであろう。【彬】