ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

桜の仲間も忘れないで

2014年03月31日 | 日記

 

 桜が満開となったが、似たような花にユスラウメがある。ウメだから梅に近いのだが、花の時期は桜に近い。梅も桜もバラ科サクラ属で、種類によりなかなか見分けがつかないが、ユスラウメの場合は梅雨時に瑞々しい深紅の実をつける。甘酸っぱい味で、子どものころ、好んで食べたものである。

 袴田事件の再審が決まった。事実のねつ造・えん罪の可能性が高いようだが、遠くの私たちには推測の余地すらない。事件の判決は検察の出す証拠に対し、弁護側が対抗していくわけだから、検察の悪行を叩くというのも当然ながら、弁護側がそれを許したという力不足も問題視しなくてはならないと思う。大岡昇平に「事件」という作品があって、弁護士が無罪を実証していく話しだった。

 風潮というのは恐ろしいもので、今回再審が決定されるや、その決定を出した裁判官にお礼状を出そうなどと馬鹿げた意見を堂々と述べる識者?まで現れる始末である。また裁判官の判決の最終文句は説教調で鬱陶しい。有罪かどうかを判断するのが、裁判官であって、人倫を述べる必要はまったくないのである。【彬】

 

 

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ウクライナ・クリミア情勢について

2014年03月21日 | 日記

 バルカン半島とその東部は、長い歴史を通して多くの国が支配、被支配を繰り返してきた。今も、ウクライナ・クリミアで歴史が動いている。以下、私の個人的な意見です。

1 全般

①ウクライナ政変について

 ウクライナはソ連邦崩壊により1991年に独立したが、経済運営がうまくいかず財政破綻の危機にあり、大国との関係強化を模索し続けてきた。EUかロシアか。EU寄りを主張する勢力がクーデターのような状況で暫定政権をつくった。

②クリミアについて

 第二次世界大戦の独ソ戦争でクリミアを確保したソ連は先住タタール人の独軍との協力を恐れ、中央アジアに移住させいたが、戦後その空いた土地にロシア人を入植させロシア化した。そして60年前フルシチョフ首相がウクライナに編入してしてしまった。その後、クリミアはウクライナからの独立運動も起こしたが、今はウクライナ内のクリミア自治共和国となっていて、ロシア人は6割を占める。

 今回の政変を機にクリミアはロシアへの編入を住民投票で決めた。ロシアはクリミアを独立国として承認、ロシアへの編入手続きに入っている。

2 私の意見

 ①今回のような状況は100年前であったならば列強国同士の戦争になりかねない。それを防いでいるのは情報であり、良識ある世界中の市民の眼である。

 ②これからの道筋はウクライナ自身が決めなければならないが、現実の世界政治の力学はそうさせない。ウクライナは東西勢力の緩衝地となる位置にある。EU、ロシア、アメリカは自国の国益のみ求めず、ウクライナを緩衝地とする行動をとるべきと思う。

 ③多民族、多宗教、多言語からなる国はたくさんある。それをうまく成り立たせていくのが歴史から学んだ人間の知恵だと思う。

 ④クリミアがロシア人住民の意思によりロシアに編入ということになると、ロシア人の住む日本の北方領土は、日本への返還が難しくなると思う。

                  絵はプーチン大統領    3月19日 岩下賢治

 
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農業の将来

2014年03月18日 | 日記

 

  TTP交渉が行き詰まって、その原因は日本の場合、コメを中心とした農業の保護だとされている。関税によって産業を護るというのは資本主義の原蓄積の段階のことであって、後は国の権力の基盤の問題だ。でも、今日農村にそんな力はないから、本当のところどうなのか、裏取り引きみたいなことはないのか、我々には分からない。

 先だって病気見舞いに千葉県の旭市に行った。そして病院の周囲に農業用のハウスが林立して壮観だった。私は常々農業が発展していくには工業化する以外にないと思ってきた。雨風を凌ぎ温度を調整したハウスの中で均一に栽培されてこそ商品価値も高まる。病院の周辺のハウスにはそうした将来が実現している光景があった。残念ながら主として何が栽培されているのか確認することができなかったが、外観からは一種ではないように思われた。

 農業は今後間違いなく工業化していくだろう。そして将来、第三次産業を凌ぐ生産性の高い産業分野に発展していくものと思う。

 例えば野菜類は都市の中心部のビルの中で栽培され季節を問わず必要に応じて何時でも出荷できるようになるだろう。その時には現在のやっちゃ場(市場)はなくなるだろう。工業部品が工場に直接納入されるように農産物も直接消費者に届けられる日がくるものと確信している。

 そして、農業に関する現在のような政治的な関与はまもなく終焉するはずだ。【彬】

 下手な絵でごめんなさい。オオイヌノフグリですが、朝顔のようになってしまいました。 

 

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風評被害ということ

2014年03月11日 | 日記

 原発の風評被害が消えないという。知り合いの何人かも福島産の農産品は遠ざけているというから本当なのだろう。が、この事実による販売の不振を、風評による被害と言っていいのだろうか。
 風評というのは、言ってみれば噂である。噂は古来から千里を走るという例えのように私たちの生活に覆い被さっている幻想である。ところが原発による噂というのは、根も葉もない幻想ではなく、特定のデータと結びついた受け取る側の確証だから、風評被害とは言えないはずである。
 これは原発事故に対する解釈の問題で、放射能による影響があるかないかの判断、つまり思想の問題である。だから、福島の生産者も風評問題からの被害者という立場を、早く脱却した方がいいと思う。
 話は飛ぶが、ネット上に次のような投稿がある。
……(ある人がどうのこうのと悪口を言われていることに対して)「デマを放置しておくと、「黙認した」と受け取られるのか、それを信じる人が他にも出てきて、まるでそのデマが既成事実であるかのように言い出す人まで出てきます。」と止めどなく拡散していくというのである。
 こうした場合の対処の仕方はない。フランスに「オルレアンの噂」というドキュメントがある。思春期の少女が美容院に行くと行方不明になるという噂を追跡したものである。また日本では関東大震災時の社会事象を扱った、清水幾太郎「流言蜚語」という研究書がある。
 口伝えが重要な伝達手段だった時代では、事実を隠さず開示することが流言を阻止するものとされたのだが、原発事故を巡る動きは、事実が十重二十重に重畳することもあって、ツイッターをはじめネット時代ではいっそう思惑が走るようになっている。情報の隠蔽などという問題ではないのである。
 だから、核心は当事者の対応ということになろう。
 福島県の人々が実際に原発事故にどう対処しているのか。報道によると福島の若い家族は率先して現地から避難しているという。放射能が怖いのである。そういう福島人の意識がある限り風評被害を都市の消費者に求めることは全く矛盾している。
 原発に対処する方法は、外側でつべこべ言うべき問題ではなく、まず現地の人たちの判断に任せられるべきである。そして当事者たちが過度に国や行政に依存して善処を求めないほうがいいのは当然のことのように思う。【彬】

 

絵はシーダーローズと呼ばれるヒマラヤシーダーの松ぼっくりである。

 

 

 

 

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TTP交渉に見るアメリカの文化

2014年03月07日 | 日記

 2月22~25日、シンガポールで開かれていたTTP閣僚会議での日米交渉。甘利代表とフロマン代表との間で、4月中の合意が得られないことが明らかになった。TTPそのものはあまりにも複雑なので脇に置くとして、交渉の行方を左右するアメリカの行動に、アメリカ固有の文化が見える。

1 アメリカの国家理念

 ①アングロサクソン、プロテスタントが基礎を作った国家で、自由、平等、そして公正が国の理念。

 ②歴史的に多くの移民を受け入れ、多様な人種、宗教から成り立つ人工国家で国民をまとめるには①のような理念が必要となる。

2 自由貿易について

 ①経済学の貿易論の教科書では

  ・自由貿易により各国にとっても全体にとっても最適利益が得られる。これは命題である。

  ・各国は経済的に優位な産業分野を特化し貿易することで、各国としても全体としても最適利益を得ることができる、と教える。

  ただし、これは経済に限った理論であり試験管の中の話。

 ②現実には自国産業保護のため、様々な貿易政策が採られる。関税もその一つ。政治が介入するのである。

3 日米の世論

 ①日本:完全自由化されれば安価な農産物が入手でき喜ぶところだが、農業が壊滅されるのには反対する。これが瑞穂の国、日本の文化。

 ②アメリカ:例えば米TIME誌の今週号(3/3)での、専属記者ザッカリア氏の記事がアメリカ世論の一端を表していると思う。

  「アメリカはアジア諸国に市場開放、貿易自由化を求める。我々は68%が関税ゼロ、残りは4.4%なのだから」

 さて私はアメリカの「自由こそ正義」に基づいた行動をある程度理解する。だが、ひとつの国家として自由貿易を叫ぶのは、すべての産業で優位に立っているから出来ることだと思う。アメリカは強い国なのである。他の国は様々な事情があり保護しなければならない産業をもっているのだ。そもそもTTPは2005年に小国4カ国が自らの経済的スタンスを高めようと始めたもの。その時点で関税撤廃は意味があった。今、日米交渉の行き詰まりでアメリカも現実を理解してきたように見える。

 さあ、アメリカにとって日本は難しい交渉相手、ということも事実だ。           3月4日 岩下賢治

 
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