ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

ドローン、村上龍の世界

2013年12月28日 | 日記

 アマゾンが発表したネット販売の配達方法が注目を集めている。無人輸送機としてのドローン。模型のヘリコプターのようなもので、配達先の玄関に着陸する。これにより同社商品の約86%をこの空飛ぶ輸送機で運べるというのである。まだ行政が許可していないために実現されていないが、おそらく数年のうちに配達は、このドローンによるようになるであろう。

 日本だと注文者の方でまともな玄関をもっている家が少ないから、この配送の着想は変更されることになるだろうが、多かれ少なかれ人の手を介する物のやり取りは縮減することになる。まったくのSF的世界である。

 で、思い出されるのが、村上龍の「歌うクジラ」である。

 この作品では極小のヘリが蚊トンボのような飛行物体として群れをなし、辺りを徘徊。不振な動きを監視し不審者にはIDを求める。つまり平面はもとより全空間が管理の対象となるのである。ドローンの発表を見るに、「歌うクジラ」の世界は目の前にあるようにも思う。我々の住む社会は既にSF化しているのだ。

 最近、行き過ぎた科学文明に対するアンチテーゼとして、科学万能を懐疑する自然回帰の思想が幅をきかせているが、科学的な知見の行きつく先はどこなのか、反原発のようなジャーナリスチックな論評としてではなく、現実社会の変容についてまともな検討が必要ではないかとつくづく思うのである。【彬】

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2 コメント

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同感ですが、、、 (かん)
2013-12-31 19:52:34
そう、これが危険なんですよねぇ。古くはチャプリンのトワイライト?人間が機械に使われる。最新は無人兵器、ロボットで敵を攻撃するというもの。世界条約で攻撃性のロボットは禁止に動いているという話だが・・・、無人ヘリで宅配するというもの、そのノーハウをなにに使うか?
好む好まざるに関わらず西欧諸国の思想に圧巻されていく気がする。
たまたま訪れて共感するとこがありコメントしました、では良いお年を(か)
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誤記 (かん)
2013-12-31 20:49:51
チャップリンのトワイライト→モダンタイムスですね、9時になったら工場に入って歯車になって5時になったら工場からでてくる。現代そのものですが、企業もそれだけだと生産性が上がらないのでいろいろ工夫している。
ロボットに関しては、日本は先進国の一つで思想的にもアトムの方向、東方的な唯心論に向かってほしいですね。古いでしょうか。(か)
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