10月25日(日)は、素晴らしい秋晴れとなった。
小金井公園を抜け、多摩グリーンロードを萩山往復し、10キロほどのランニングを楽しんだ。そして、昼まえに公園に戻ってきた。そこには、今まで見たこともないような、多くの来園者に溢れていた。ほとんどが家族連れで小さい子が多い。どうしてまたこんなにも多くの人が・・・・と思ったが、ここは車で来園する人も多く、コロナ禍で遠出を避け身近のところに、ということだろうか。
2メートルの距離を開けていないようなところもあるが、皆マスクをしているので、構わぬ様子。子供たちは思いっきり駆け回り、大人も、おしゃべりに興ずる人もいる。テントは禁止のはずだが、あちこちで建てている。ブルーシートを敷き、家族ぐるみでピクニックを楽しむというか、何事かから解放されたような風に見える。・・・・何か、コロナが終焉し、それを祝う祭りのような賑わいだが。
ところで、最近読んだ、カミユの「ペスト」la peste では、最後の下りは、ペストの終焉が公に宣言され、それを祝う、花火が打ち上げられ、市民は、通りに繰り出し、お祭り騒ぎとなる。だが、カミユは、ペストは今どこかにかくれ、いずれまた顔を表すだろう、と結んでいる。
公園の中にはコスモスの群生が2か所ある。遠くから見ると、パンデミックの終わりを告げる花火の様に見えたりもする。コロナの終焉とはどういうものなのだろうか。自分の想像できるものはあるが、ここでいうことは控えよう。とにかく、しばらくは、ウィズ・コロナでの暮らしを続けていかなければならない。楽しめる時は、それなりに楽しんでいけばいいのだろう。僕も、今日は、来園者と同じように、秋晴れの日を楽しみ、幸福な気分であった。
だが、今、100年に一度の世界的パンデミックの最中にいるのだ。
絵は小金井公園。広場の向こうにコスモスの群生が見える。
2020年10月26日 岩下賢治