ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

冬至あたりのこと

2017年12月26日 | 日記

 この12月は寒い日が続いている。寒い日には、3年前まで13年間住んでいた茨城のことが想われる。位置としてはNHKの朝ドラ「ひよっこ」の舞台となった架空の「奥茨城村」あたりになる。自然豊かで、春夏秋冬、どの季節も好きだが、特に、冬が好きだった。東京よりかなり寒いが、むしろそれが気に入った。東京生まれの東京育ちだが、茨城は第二の故郷のように思っている。

  茨城には、ユズ畑が多い。その香りを楽しむのは、冬至あたりの寒い時期だ。

 温泉はユズの香に満たされる。そして、素朴な食べ物だが、「けんちんソバ」がいい。けんちん汁と、ソバを合わせたもので、茨城の名物料理なのかもしれない。そして、ユズの皮の乾燥パウダーがあればなおのこといい。当時、マラソンの練習をしたあと、温泉に入り、温かい「けんちんソバ」を食べるのが何よりの冬の楽しみだった。

 今住んでいる東京の自宅近くでも、ユズの木をよく見る。先日、大量に収穫した実を一般に配っている生産者がいた。手に取り、その香りを嗅いでみる。茨城の香りがする。そして故郷の名物「けんちんソバ」も。

 東京にもどってから、茨城に行くことはほとんどない。行かなくてもいいのだ。故郷は遠くにありて想うもの、でいい。

      絵は「けんちんソバ」

    2017年12月25日   岩下賢治

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羽生、永世7冠そして国民栄誉賞

2017年12月17日 | 日記

羽生さんに、多少、似ているかな

 羽生永世名人が棋界の全ての最高位の永世称号を獲得したというニュースが伝えられた。永世称号は、各種棋戦の優勝回数が数回から10回獲得すると与えられるもので、今回、竜王戦で渡辺竜王を降し優勝し、現在7つある棋戦の全ての永世称号を獲得することになったのである。常人には理解しがたい空前の偉業である。

 羽生さんの凄さは、色々言われているが、私のようなアマチュアの初段くらいの人には、どこがどうすごいのか、見当もつかないのだが、テレビでの勝負や感想戦を見聞きする限りは、ごく平易な指し手を選ぶのだな、と思う。卓越した構想とか、度肝を抜くような新鮮な手は選ばないのである。
 それで強いのだから、将棋という盤ゲームの本質には平易明快というような棋理が潜んでいるのではないのだろうか。
 また羽生さんの凄さは、同世代の三羽ガラスと勇名を馳せた佐藤康光、森内俊之らが若手のコンピュータ世代に凌駕されて言ったのに対し、これをビクともせず跳ね返してきたことである。盤ゲームにコンピュータが導入され、コンピュータを教材にして学んできた若い世代が主流となっている現下、この活躍はすごいとしか言いようがない。というのもギャンブル性のほとんどない盤ゲームではコンピュータが圧倒的に強い。そのコンピュータを自在に教材に選べる若手は強いのが当然だからだ。

 羽生さんはタレント性もあるので、将棋以外の著作もあるし、いろいろとインタビューにも答えている。それらをすべて見ているわけではないので、重複するかもしれないが、できることなら私は羽生さんに次の2点を質問したい。
 1)トップレベルの棋士がコンピュータに負けているが、その敗因はなんなのか。
 2)若手のコンピュータの活用方法に何か問題があるのではないか。コンピュータはどう活用するのが、いいのか。
 羽生さんは柔軟な思考を持っていることもあって、コンピュータに自分たちの将棋が追いつかなくなったら、現在の9×9の盤面を9×10にすればいいのではないか、などといっている。将棋とは関係ないが、プロ野球の監督だった故三原脩は90度のヒィールドを100度に広げるなど、提言することがあった。

 道を極めることは道を定めるルールにまで視野が及ぶのだなど思うことである。【彬】

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沈黙を破る人たち

2017年12月13日 | 日記

 今年12月18日付けの、米国タイム誌に、恒例の今年最も世界に影響を与えた「今年の人」に、「沈黙を破る人たち」 the silence breakers が選ばれた。

 性的被害を受けた女性および男性が、勇気をもってその経験を語り、加害者を非難、告発する内容。61名の被害者の顔写真入りで38ページにわたる。

 毎年選ばれる人は、政治家、実業家、などの人物だが、今回のような記事になったのは、タイム誌の、編集方針、つまり、グローバル、多様性、リベラル、といったものがそうさせたのだろう。編集責任者は、「通例は、大統領、首相、法王、など組織制度の中の人物だが、今年は、新機軸になるもの、世界は根本から変えることが出来るということを想起させるものとした。」と語る。

 事実、被害を訴える動きは世界で大きなうねりとなっている。これは、SNSによるところもある。米国の某女優の、#Metoo(私も被害にあった)の発信に対し、85か国、数百万人が、(私も被害にあった)、と対応している。

 僕は、ハリウッドの大物プロヂューサーが加害者で、有名女優たちが被害者としてテレビで報道されたこともあり、興味をもって読み始めたが、ある感慨もって読み終えた。

 感慨をもって読み終えたというのは、

 ①   このような、動きは先ず、欧米、特にアメリカではじまるものだな。僕のような、極東の日本の、一人の男性として、すぐには理解が難しいな。

 ②   先日、この記事に絡んで、某テレビ番組で、女性の社会進出に詳しい専門家は、「日本は、女性進出が欧米に比べ20~30年遅れている。#Metooで対応するのは、過剰反応と思われがち。」と述べている。

 ③   文化の違いで済ませてはいけないのだが、個人主義、民主主義、といっても国によって違いはある。訴訟社会の米国では。このような動きはむしろ遅すぎたのではないか。

 さて、タイム誌を長年読み続け、毎回、新しいことにことを知る。報道の自由、読むことの自由の素晴らしさを感じる。来年も、期待したい。

   絵は、タイム誌の表紙スケッチ。

       2017年12月13日  岩下賢治

 

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一病息災でいこう

2017年12月05日 | 日記

       我が家のキンカン、です。

 9月以来、長引いていた鼻風邪、原因はどうやら子供の時の蓄膿症が原因らしい。

 医師の説明によると、膿を取りきれなかった部分が、年月を経ることによって少しずつ悪化したとのこと。昔の蓄膿症手術には往々に起こるそうだ。この原因を突き止めるために、約3ヶ月かかった。

 風邪声と微熱、それに多少の頭痛、最初は軽い風邪の症状として行きつけの内科医に風邪薬を処方してもらったのだが、改善されず。医師を変えて、血液検査と頭部のレントゲンを撮った。しかし異常は認められず、抗生剤が処方された。

 だが、一向に改善されないので、鼻がおかしいのではないかと思い、耳鼻科に行った。そしてやっと原因が突き止められたのである。耳鼻科の専門医は過去の病歴(蓄膿症)から、その原因を推測したのだが、確認のためとCTスキャンを撮った。そして、もやもやとした影が出ているのが確認されたのである。

 薬を処方してもらい改善に向かっているが、悪化すれば再手術という。

 神経の塊である私たちの身体は、ほんのちょっとしたことでも過敏に反応する。鼻腔の奥にちょっと膿が溜まっただけでも、熱や頭痛に転化する。たいしたものだ。

 無病息災というのが、理想なのだろうが、私たちは皆どこかに不調を囲っている。そして、その些細な症状が実は人体という高性能のオーガニズムを守る注意信号なのだろう。無病ではなく、一病を持った人のほうがかえって丈夫だというのが、世の常らしいが、これも注意信号の発信がもたらす成果なのだ。

 私も子供の時の病気を背負って、一病息災でいくことになる。【彬】

 
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