EUの加盟国、英国が、国民投票で離脱を選択したことは大変な驚きである。世界を巻き込んだ、第一次、二次世界大戦の反省を込めヨーロッパと世界の安全、発展等、を目的として設立したEUの一角が崩れ、その後も連鎖の兆しがある。ヨーロッパの主要諸国は、先端の科学技術、優れた哲学、政治思想、そして芸術、をもって世界の近現代史をけん引してきた。同時に今の価値観から見る負の部分ももたらしてきた。
私は、遥か極東の一市民であるが、ヨーロッパとEUについて考え、自分の意見をまとめさせていただきます。
1. 歴史(ポイントのみ)
・4世紀、現在の西ヨーロッパの形成は、4世紀のゲルマン民族の大移動に始まる。ゲルマン人(主にドイツ人)は、現在のドイツ、フランスの領域にフランク王国を成立。・・・なお、フランスはドイツの侵入を受けた立場。その後、様々変遷。
・4世紀、他方、イギリスはアングロサクソン国家を形成。
・西暦800年、フランク王国カール大帝はローマ教皇より、西ローマ皇帝の冠を受ける。・・・キリスト教国家のお墨付きを得る。
・15世紀~各国は主権国家体制を整備・・・近代国家(領土)の原型となる。国家間の戦争多。
・15~16世紀~大航海時代、新大陸発見・・・スペイン、ポルトガル、競って世界に富をもとめる。
・16世紀:宗教改革(プロテスタント)・・・宗教が教会から人間に近づく。
・18世紀、フランス革命、産業革命・・・近代市民社会へ。
・19世紀、独占的資本主義の時代、世界中で植民地獲得競争・・・帝国主義の進展と負の部分増。
・20世紀、第一、二次世界大戦・・・帝国主義国家の衝突。
・1958年EU設立・・・帝国主義が消滅し、新しいヨーロッパへ。
2.ヨーロッパの特性。歴史からいえること。
① 多民族をルーツに持つモザイク国家群。領土を幾重にも変えてきた。
② キリスト教が一つの接着剤か。
③ 基礎学問を現実の制度、技術に発展させるのに優れている。
数学、天文学(航海術)、哲学、政治思想(民主主義)など、インド、アラブ、ギリシャ、ローマ等古代の知識を、現実の技術、制度に採用してきた。合理的、現実的。
④ 競争心、自己主張が強い。厳しい競争が国家社会を動かしてきた。また、戦争等負の部分も多。
2.これからの、ヨーロッパ。・・・私の意見。
・EUはヨーロッパの目標であるが、通過点でもある。脱退があれば、再加盟もある。
・砂山のようなEUは強力な指導者が必要。主要国のリーダーシップを期待します。
・世界が混乱した時には、民主主義の国家群であるヨーロッパの考えが判断の基準になることがあると思います。
絵は西暦800年、カール大帝が帝冠を受ける。 2016年7月10日 岩下賢治