
大失敗をしてしまいました。恥を忍んで参考にとアップします。
前日のあのゼンマイ畑の魅力に負けて、翌日も夜来の雨が午前で上がったことを良いことに出発。
焦って、昼休みもそこそこに午後一時前に山に向かったのでした。
しかも、大量の収穫を見込んで「ゼンマイブート―」なる、山菜採り用の着物を二着も持って。
上の雑木越しから見た、沢です。急峻さとゼンマイの多さが目につきます。
前日とほぼ同じコースを下ったけれども、自分の採り跡が見えてもまだたくさんある。
つい、欲が出て周りを見渡し、「真ん中を採りながら下り、次に左に移り、右へ回ろう」なんて。
ところが、真ん中から左にトラバース(横断)しようと始めて、重大な事象に遭うことに。

目測し、想定したコースの足をかけようとした場所の土が雨で緩んでいたのです。
上に手を伸ばしても掴まるものは無い。絶体絶命です。
必死に踏ん張るけれど、徐々に滑り始める。一瞬「踵骨骨折・脊髄圧迫骨折」が脳裏に。
これだけの斜度だと、転がりも滑りもしない。フワッと体が浮かんだ感覚と次に強い衝撃。
仰向けに沢に落ち、したたかに尻と腰を打った。でも、背中のゼンマイがクッションにも。
しばらく、動けなかったが、水の冷たさで我に返る。ポケットのカメラと携帯は無事。

我ながら馬鹿なやつで「前門の狼後門の虎」なんてフレーズも浮かぶ。
進退窮まれり。上にも滝。下にも連続した滝があるのです。
この辺りでは無事だった携帯を使って救難ヘリの出動要請さえ頭に浮かんだのでした。
でも、二つの滝を冷たい水を浴びながら、なんとか滑り降りて登られる場所を探す。

ようやく、沢が少し開きなだらかな斜面が姿を現す。「助かった」。
しかし、ここから尾根に上がるのにも一苦労。痛さと寒さで足取りは5センチほどの小幅で。

先の開けた場所から少し下ると20数メートルもの滝があり、落ちたら即死でしょう。
沢の反対側、左岸の上方です。50メートルは越えると思える大絶壁です。
今年は雪が極端に少なかったためか、山菜取りの遭難事故の発生は報じられていない。
危うく、今シーズンの第一号遭難者になるところでした。ずぶ濡れで震えながらの帰宅です。
痛さはどんどんと、時間とともに増してゆく。体を動かすこともままならなくなる。
どうやら、骨折だけは免れたようです。でも、筋肉の挫傷というのかとにかく寝起きにも不自由。
先日の人間ドッグの結果が届いたばかりで、体力年齢は実年齢よりも11歳下。
過信などしませんが、人間は体力ばかりではなくて、知力・判断力も低下すると知りました。
今は、内臓への衝撃のためか食欲もない。でも血尿もないから損傷は無さそう。
極度の痛みのために、急な動きはできず「小笠原流」のように優雅に立ち振る舞うしかない。
宝の山に入り、宝を採り逃したような心境といったような気持ちもある。
尾根の反対側では頻繁に見られたカモシカの跡も全くない。カモシカも近づけない場所だった。
恥ずかしい報告ですが、事故防止のためにアップしました。
とにかく、欲望に負けて無理な行動をしてはならない大反省です。家族にも迷惑をかけています。